第三章 リベン珠
第37話 完伝と想い出の日
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せ、皆はそれぞれ思い思いの時を過ごし、誕生会は大成功の下にお開きとなっていったのだった。
◇ ◇ ◇
そして、皆は楽しかった催し物への余韻を残しながら、それぞれの帰る場所へと戻って行ったのである。
そんな心地よい哀愁に勇美が包まれていると、ヘカーティアから声が掛かってきたのだった。
「なあ勇美、ちょっと一緒に話をしないか?」
「え、はい。良いですよ?」
話なら誕生日会で十分したのではないかとも思ったが、勇美は彼女に何かしらの考えがあるのだと察して承諾した。
「それじゃあ、ここじゃ何だから、少し人気の無い所へ行こうか」
「はい」
やはり自分の読みの通り、何か考えがあるのだろうと勇美は首を縦に振るのだった。
そして、二人は永遠亭の外れにある座れる場所へと赴いたのである。漸くヘカーティアはここで勇美と気兼ねなく話が出来るといった様子だ。
「さて、ここでいいかな?」
「はい、では早速!」
ヘカーティアが言うや否や、勇美は神速の如く間髪入れずに食らい付いてきたのである。
「他でもありませんよヘカーティア様。ノーパンを経験した感想はどうですかぁ!?」
「ああ、あれは最高だよ。正に未知の領域だな。特に三つの体全てでノーパンになった時の快感は昇天ものだよ」
「さ、三人分……出来ないけど私も経験したい……♪」
ヘカーティアの禁断の地への誘いに、勇美はここでゴクリと生唾を飲んで食い入るように聞くのだった。
だが、当のヘカーティアはここで冷静さを取り戻して言い直す事にする。
「いや、勇美、落ち着こう。私は今この話をしようとしたんじゃないんだ。それに、これじゃあボケが流れっぱなしになってしまう」
「あ、それは確かに大事な事ですね」
円滑な人間関係を築く上で、確かにそれは禁忌であるなと勇美は納得する所なのであった。なので、彼女はヘカーティアが話の軌道を戻す事に賛成するのだった。三体分のノーパンの快感の感覚は如何ほどのものかは、またの機会にじっくりカレーを寝かせるように改めて聞く事として。
そして、流れを元に戻すべくヘカーティアは口を開く。
「さて、まずは月への襲撃を止めるのではなく、暫く行わないと約束した事について謝っておきたい」
「えっ?」
その言葉に勇美は素直に驚いたのだ。少々身勝手な取り決めをした本人から、こうして謝罪の言葉があったからである。
「私もこれには申し訳ないと思っているのだよ。そして、はっきり言うと、私はもうそこまで復讐にはこだわってはいないんだ。元凶の嫦娥の夫は純狐が討ったのだからな」
「それって、もしかして……」
そこまで聞いて、勇美はここで勘が冴えたのである。霊夢程のそれはなくとも、今までの経験からある程度の敏感さは身についているからであった。
「そう、察しが早くて助かる
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