第三章 リベン珠
第37話 完伝と想い出の日
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、それぞれの近況報告等で互いに話に華を咲かせるのであった。
勇美の誕生日会に足を運ぶもの達はこのように着実に増えていったのだ。これで役者は一通り揃ったと思われていた。だが、最後に思わぬ珍客の姿がそこに現れるのであった。
その者達は、星条旗の道化妖精に、中国の道士風の女性に、奇抜なファッションの赤髪の女性……。
そう、クラウンピースに純狐にヘカーティア・ラピスラズリといった、今回の異変の大元の原因となった者達である。
その面子に勇美は驚きを見せつつも、一方で納得した心持ちを抱くのだった。
そして、彼女達が来てくれた事にも喜びを感じるのは同じであるのだ。だから勇美は彼女達の下へも進んで歩み寄っていったのである。
「皆さん、私の為に来てくれたのですね」
「ああ、あの時以来だな。勇美」
「勇美〜、おひさ〜♪」
そう言って地獄の主従二人は快く勇美を出迎えたのである。対して、純狐の方はどこかよそよそしかった。
「あの、勇美さん。責任取って下さいね」
「はいっ!?」
思わず勇美は声が裏返ってしまった。この目出度い場所で、この人は何を言い出すのだろうと。だが、取り敢えず勇美は先を促す事にしたのだ。
「純狐さん。どういう事ですか?」
「それはですね……」
果たしてこれを打ち明けるべきかと純狐は迷っているようだった。だが、彼女は意を決して口を開くのだった。
「勇美さん、あなたが変な事を言っていたから、時折ヘカーティアがノーパンになるようになったのですよ。確率で言えば十回に一回位……」
「はぅぇっ……!?」
それを聞いて勇美はまともな言葉に声を漏らしてしまうのだった。
勇美は思った。そんなの私の知った事じゃあないと。しかも確率頻度は物凄く微妙な所ではないかと。
そして、ヘカーティアのスカートの短さでやるのは余りにも危険というものだろう。
「しかも、あまつさえクラウンピースも『それ』に興味を持ってしまう始末なんですよ」
「あ、いや。そこまでなるとは思ってませんでしたから」
「なると思ってなかったで済むと思っているの?」
「いや、そう重みのある言い方されても内容はアレだし……」
勇美が純狐に迫られてしどろもどろになっていたが、当の純狐の表情はだんだん和らいでいった。
「まあ、でも今回はあなたの誕生日ですし……。この事はまた今度の機会に話し合いましょう」
「あはは……水に流してはくれないんですね……」
もしかしなくても、この話題も純狐の中で純か化してしまったのだろう。勇美は最早逃れられないと覚悟を決めるのであった。
まあ、色々いざこざがあったものの、勇美を祝いに来た者達はこれで役者が揃ったのだった。
そして、誕生日会は無事に滞りなく開催されていった。
用意されたご馳走を食べ、そして話に華を咲か
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