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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第35話 事後処理
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になったとは何かの縁だろうかと勇美は感じた。
「そう言ってもらえると、私の方としてもこの作戦を考えた甲斐があるってものさ」
 勇美の意欲的な態度にヘカーティアもご満悦のようであった。この作戦は下手をすれば不審に思われても文句は言えないものであった。それを勇美は肯定的に受け止めてくれたのだ。それにはヘカーティアの方も胸がすくというものである。
 こうして両者の間にわだかまりはなくなったのである。後はこれからどうするかが問題となってくるのだ。その事を勇美は言う。
「それで、お二人は今後はどうするのですか?」
「そうだな、クラウンピースが負けた時点で月の都は解放する手筈になっていたから、もう現時点で元に戻っているだろう。元々この勝負は最早計画とは逸脱したものであったからな」
「それは良かったです。これで一見落着ですね」
 そう言って勇美は漸く肩の力を抜く。だが、鈴仙はここではっきりと言っておかなければならないのであった。
「確かに勇美さんの言う通りですね。ですがあなた型には約束して欲しいのです」
「何だい?」
「この一件以降、もう月の都には手を出さないという約束をして欲しいという事です」
 それが重要な事であった。例え今回異変の元凶に打ち勝っても、またヘカーティアが月の都に手を出せば元の木阿弥となるのだ。要は再発防止こそ物事の解決には必要不可欠という事なのである。
 だが、ヘカーティアの口にした言葉は鈴仙の望むものではなかった。
「残念だが、その要求は飲む事は出来ないな」
「そんな?」
 鈴仙は愕然とした。ここまで弾幕ごっこに乗っ取って戦って来て、最後の最後で事態解決の為の意思を相手から承諾してもらえないとは。これでは今までやってきた事が無駄になってしまうのではないか。
 鈴仙がそう思っていると、ヘカーティアはその後を続けた。
「だが、私達は弾幕ごっこに負けた身。故に相手の要求を無視する事はルール違反であろう。だから──」
 言ってヘカーティアは一呼吸置き、
「この先しばらくは月の都には手を出さない……そう約束しよう」
「……」
 その答えに鈴仙は複雑な心持ちとなるのだった。
 確かにこうして要求の半分は相手側に受け入れられた。だが、その約束の内容は永久的なものとはならなかったのだ。これには鈴仙は腑に落ちないものがあって当然であろう。
 だが、ここで勇美は思った。その鈴仙の心境も当然理解出来るのだ。自分だってそう何度も憩いの場である幻想郷が存続の危機に晒されるのはとても落ち着けたものではないのは当然である。
 しかし、勇美は自分も復讐に身を置くものとして、相手の気持ちも感じ取る事が出来るのだった。復讐心というのは、そう簡単にはなくならないものである事を彼女自身よく知っているのだから。
 だから、勇美はこう言うのだっ
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