第三章 リベン珠
第34話 絆と絆 3/3
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から、純狐とヘカーティアとしてもこの勝負に負ける訳にはいかないだ。
勇美と鈴仙、純狐とヘカーティア。両チームともこれ以上長くは戦えないだろう。その考えは両者とも一致するのだった。
「勇美、次がお互い最後となるだろうな。覚悟はいいか?」
「ええ、望む所です」
ヘカーティアの提案に、勇美も同意する所であった。自分は人間である分、ヘカーティアよりも遥かに長期戦は分が悪いのだ。だから、手っ取り早く決着を付けたい算段だった。
対して、ヘカーティアの方もあのような色々予測のつかない相手と長く戦っては不利になるというものだった。現に、先程こうして自分の大技を返されて痛手を負った所であるからだ。そのような判断は馬鹿でも出来るだろう。
そうお互いに了承を取った後に、ヘカーティアは目を閉じて念じたのだ。それにより、今までの展開とは違った現象が起こったのである。
今までは赤髪→青髪→黄髪の体の入れ換えを一巡するという流れであったが、今度はというとその三体の体が一同に介してこの場に同時に現れたのであった。
これが意味する事は想像に難くはないだろう。
「今度は異界、地球、月の体一つずつなんてまどろっこしい事はせずに一度に全て使わせてもらうよ。もう休ませるなんて余裕ぶっこいた事は自分で自分の首を絞めるだけだからね」
ヘカーティアがそう言い切ったように、彼女は今正に勝負に出たという事であった。
見れば、『地球』には然程のダメージはないが、『異界』と『月』には馬鹿にならないダメージがあるのが見て取れたのであった。特に月の損傷は致命的だろう。
なので、最早ぐずぐずしている暇はないだろう。故にヘカーティア『達』は迅速に行動に移したのである。
「まずは【異界「クリムゾンプラネット」】」
最初に動いたのは異界の体であった。それにより、彼女達の頭上に赤い不気味な惑星型の球体が現出した。
それに続けとばかりに他の体も行動を起こした。
「続いて【地球「アクアプラネット」】」
「最後に【月「プリンセスプラネット」】」
そして、地球と月の体も行動を起こし、それぞれ地球のような水の惑星型、月のような淡く輝く惑星型の球体が現れていったのだった。
それだけでは終わりではなかった。ヘカーティア達はそれぞれが創造した惑星を、ある一点に動かし始めたのだ。
そして、それぞれの体が操る惑星は重なり合い、やがて一つの存在となったのであった。
勿論、三つの惑星が一つに集まった事でその質量も三倍となったのである。これには勇美はあの言葉を言うしかなかったのであった。
「すごく……大きいです……」
「でかいのはいいからさ……ってそれは違う」
この流れにはヘカーティアは賛同しない所であった。彼女はあくまでノンケなのであるからだ。
そんなくそみそな勇美に
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