第三章 リベン珠
第33話 絆と絆 2/3
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天地神「下から上まで突き抜けるトルネード」】!」
そして宣言の後に勇美はリモコンのスイッチを入れた。
後は想像に難くないだろう。地面に備え付けられた巨大なファンから物凄い風が産み出されていったのだった。
それにより生み出された答えは実にシンプルであったのだった。地面から天空に向かって勢い良く風が、正に竜巻の規模で吹き荒れ、一帯に降り注いでいた雨を雨雲ごと綺麗さっぱりと吹き飛ばしてしまったという事である。
こうして空は先程の雨が嘘のような、清々しい日本晴れとなっていたのだった。
「そんな馬鹿な……」
これにはヘカーティアも意表を突かれてしまったようだ。つくづく予想を超える芸当をしてしまう勇美に、彼女とて驚くしかなかった。
だが、本物の雨は吹き飛ばしたものの、空からは比喩表現となる弾幕の雨は降り注ぎ続けていたのだ。しかし、ここまで来れば勇美達のものである。
何故なら、雨で誤魔化されていたが、弾自体の攻撃頻度はそこまできつくはなかったのだから。寧ろ、今まで弾幕ごっこに明け暮れた勇美達にとっては優しい難易度と思える位の代物であった。
「例に挙げるなら、『スピードモンス』みたいな所だね。あいつは水しぶきが派手なのに囚われなければ攻撃箇所は僅か一箇所しかないからね」
「いや、その例えはちょっとマニアックな領域に入っているぞって」
ヘカーティアはそれは分かる人が少ないと、手を振って抗議した。
「いいじゃないですか、あのゲームの内容も網羅しているサイトも結構最近に出来た事だし。『筋たけし』で検索してもそこに行けますよ」
「確かに、シューティングゲームを作れるゲームって事で、私達にも無縁ではないか」
「そうそう、東方のパロディー作品もありますからね」
何故か変な方向に華を咲かせる二人に、鈴仙と純狐はついていけなくなっていた。あまりにも話がマニアックすぎるし、第一メタな内容すら含まれるからだ。
なので、二人は話の軌道を元に戻す事にした。
「勇美さん、ネタ的な話はそれ位にしておきましょう」
「ヘカーティアも、余り相手の悪ノリに乗る必要もありませんよ」
「うん、ごめん」
「私も些かふざけすぎたな」
鈴仙と純狐の申し出に、勇美とヘカーティアは案外素直に自分達の非を認めるのだった。
そして、勇美はある事に気付いていたのだ。確かにヘカーティアは別の体の稼働中に、ダメージを負った体を休ませて回復する事が出来るのだ。その事はあるSRPGに例えるなら『戦艦に乗せる』ような感覚だろう。
確かにこれはゲームではなく実際の戦いだから、ゲームのルールでは通用しない側面が多い。だが、例えとして用いる分には問題ない部分もあるだろう。
そして、『戦艦に乗せる』事に対するデメリットも今の現状に当てはまると勇美は考えるのだった。
そ
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