第三章 リベン珠
第32話 絆と絆 1/3
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「ふう、間一髪って所でしたね」
「そのようですね」
迫っていた危機を回避した二人は、これで一先ず安心といった様相で一息ついた。対して純狐は納得がいっていない様子である。
「何故……、今の攻撃を狂気の瞳で反らす事が出来ると分かったのですか!?」
「簡単な事ですよ」
純狐が放つ質問の間に勇美が割って入って来た。そして彼女はそのまま続ける。
「あなたの今の光、あの時よりも弱かったからです。鏡で乱反射させる為に調整したのでしょう?」
その言葉に自分の名前に付いている通りに、狐に摘ままれた心持ちとなる純狐であったが、次には吹っ切れたような爽やかな表情となっていた。
「見事、見事ですよ勇美さん。やはり私達が警戒した通りの存在です」
笑いながらそう言いつつも、彼女は次には表情を真剣なものへと変貌させていた。
「しかし、現状は私とヘカーティアの合わせ技を一回攻略しただけではありませんか? 次は一体どうするつもりですか?」
確かにその通りであろう。今の状況は、僅か一回レーザーを狂気の瞳で回避したに過ぎないのだ。次もそうまぐれが続くとは思えないだろう。
だが、純狐とヘカーティアは気付いていなかったのだ。今の相手にはこの『アポロ反射鏡作戦』は完全に悪手だったという事を。
「……鈴仙さん、そろそろ『やっちゃっていいですよ』?」
「それじゃあ行きますか?」
そう意味深な会話をしつつ、勇美と鈴仙の二人はニヤニヤしていたのだった。これにはヘカーティアは訝った。
「何が可笑しい!!」
「……ヘカーティア、その台詞は負けフラグですよ……」
「あ、ごめん、つい」
対して純狐は幾分か冷静だったようだ。ヘカーティアは指摘されて素直に謝っておいた。
だが、冷静か取り乱しているかでは今彼女達が置かれている状況に変わりはなかったのである。その事を証明する為に鈴仙は、『正にこの状況にピッタリな』スペルを発動するのであった。
「【水月「ムーンシャドウレイ」】っと♪」
するとどうだろうか。瞬く間にヘカーティアが現出させた無数の鏡が一斉にその表面を輝かせ始めたのだった。
「まさか……」
「そのようですね」
ヘカーティアと純狐の表情が凍り付く。どうやらこれから起こる惨劇を二人は正しく予期しているようだ。
そして、そんな二人を見ながら鈴仙は無慈悲に言い放った。
「はい、それではお待ちかねの……♪」
鈴仙のその言葉を合図にして、全ての鏡から紫色のレーザーが照射されていったのだった。
「つうぅぅぅっ……」
その身を無数のレーザーに貫かれ、さすがのヘカーティアも堪らずに呻き声をあげていた。そして、その矛先は純狐にも向かおうとする。
「っ!? 純狐だけにはっ!」
言うとヘカーティアは純狐の目の前に鏡を出現させて間一髪で彼女へ
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