第三章 リベン珠
第32話 絆と絆 1/3
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なら彼女は以前に似たような技に出会っているからである。
勇美の予想通り、ヘカーティアは彼女達に望ましくない行動をしようとしているのだった。それをヘカーティアは実行に移す。
「どうやらその顔は私がやろうとしている事を分かっているって感じだね。それじゃあお望み通り行くよ!」
彼女がそう言った正に次の瞬間であった。ヘカーティアは両手に黄色いエネルギーを集めると、それを迷う事なく出現させた鏡へとぶつけたのである。
「やっぱり!」
勇美は当然それに対して身構えたのだ。こうなってしまっては、後は防御に徹するしかないだろう。
「【盾符「シールドパンツァー」】!」
勇美はすかさず防御の為のスペルを発動したのである。それにより彼女の眼前に守りの為の装甲が現出した。
「ふぅ……」
これで一先ず守りの方は固める事が出来たようだ。後は敵の攻撃をしのぐだけである。
正にそれは間一髪だったようである。勇美がその装甲を出した瞬間に次々に乱反射した黄色いエネルギー弾がぶつかってきたのだった。
「くぅっ……」
乱反射をして速度の上がったそれは、案の定装甲越しに勇美に強い衝撃を与えていったのだ。だが、辛うじて防御はこなしている為に直接ダメージを負うような事はないようだ。
それを見ながらヘカーティアは言う。
「中々見事な防御っぷりだな。だが、忘れてはいないかい──この戦いが『タッグ戦』だって事を!」
その言葉に続きヘカーティアは「純狐、お前の出番だよ」と『相方』に呼び掛けたのである。
「待ちわびましたよ、ヘカーティア♪」
相方に指名をされ、純狐は意気揚々とした振る舞いでスペルカードを取り出したのである。
「それじゃあ期待に応えないといけませんね。【「掌の純光」】」
宣言により、純狐の両手に光が集まっていった。丁度、先程勇美達が彼女一人と戦った時と同じである。
だが、勇美は先とは様相が幾分違う事を瞬時に察したのである。それは、その光の濃度も規模も小さい事であった。
つまり、これから純狐がやろうとしている事は得てして察する事が出来るというものだろう。
そして純狐は満を持して行動を起こしたのだ。──それは勇美の予想通り『鏡』に向かって光のレーザーを発射する事に他ならなかったのだ。
それにより予想通りにレーザーは乱反射を起こしながら暴れ回り……その矛先は鈴仙に向かおうとしていた。
「鈴仙さん、『これなら』……!」
勇美は意味ありげな言い回しの台詞を鈴仙に投げ掛けると、鈴仙はすぐにそれに合点がいったようで「分かりました」と言うとすぐさまに迫り来るレーザーを見据えたのである。
次の瞬間、鈴仙の瞳が更に赤く輝き、続いて彼女に迫っていたレーザーが見事に軌道を反らしていったのだった。そしてレーザーは地面の何もない所に突き刺さった
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