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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第32話 絆と絆 1/3
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命』、『マーキュリー』様、お願いします」
 すると、彼女の周りに水が出現していき、すっぽりと包むように覆ったのだ。
 そして、炎のカッターは水の膜に突っ込むと、ジュっと音を出してそのまま消滅してしまったのだった。
「と、いう訳で【水鏡「ウォーターベール」】です」
「やるね……」
 的確な対処だと、ヘカーティアは感心しながら勇美を見据えていた。だが、これは序の口なのである。故に彼女には十分すぎる程の余裕があるのである。
 そして、勇美の方も油断はしていなかった。今の攻撃自体がヘカーティアの力量から察して、余りにも軽すぎたからだ。
 純狐の放つスペルは一発一発が重く強烈な威力があったのだ。対して今のヘカーティアのスペルはそれと比べると余りにも拍子抜けなのだから。
 恐らく勇美が察するに、ヘカーティアの力量は純狐を上回っているという事なのである。それがこうして簡単に対処出来た。これに警戒しない手はないだろう。
 そう勇美が思考を張り巡らせていると、ヘカーティアの方から声が掛かってきたのだ。
「だが、次のはどうかな?」
 言うとヘカーティアの髪の色が一瞬にして赤から青に変わる。それを見て勇美は何だか最近11作まで作られたゲームの主人公みたいだと思った……が、今は戦いの最中なのでその思考は振り切る事にした。無論トゲをぶつければ一発で倒せるのではなどという下らない考えは勇美は抱かなかった。
 無論、ヘカーティアが基本体である『異界』の体から、『地球』の体へと『入れ替え』をした事による演出であった。
 そして、その入れ替えられた体により、次なるスペルが発動される。
「【地球「邪穢在身」】」
 スペル発動後、ヘカーティアの全身を黒いオーラのようなものが覆った。その状態で彼女は右手を開いて前に突き出す。
 すると、そこから黒いエネルギーの塊の弾が発射されたのである。
 そこから感じられる力の重みは中々のものであった。これの直撃を喰らえばタダでは済まないだろう。
 だが、勇美は至って落ち着きながら次なる神に呼び掛ける。
「次は『伊豆能売』様に『アルテミス』様、頼みます」
 勇美がそう言うと、巫女の神の力が勇美の半身の機械へと取り込まれていく。
 その課程を終えると、気付けば勇美の手には神々しく輝く弓が携えられていたのだった。
(弓……?)
 その現象を目の前にしながら鈴仙は首を傾げた。勇美がそのような得物を持つのは自分の記憶と照らし合わせても、かなり珍しいからである。
 そして、その弓のスペルの名を勇美は言葉に刻む。
「【浄弓「清めし者のフォングース」】!」
 その名と共に、勇美は勇ましく手に持った弓で、生成したエネルギーの矢を放ったのだった。
 勇美からその放たれた矢は、煌びやかに輝きながら直進していき──見事にヘカーティ
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