第三章 リベン珠
第32話 絆と絆 1/3
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の姿が無数の存在からなっていたという事だ。
しかし、今のヘカーティアはどうだろうか。能力による分身でもなく、複数の存在が集まって構成されている訳でもなく、正真正銘彼女の肉体が三つ存在しているという事なのだ。
「どうだい? 驚いたかい?」
「はい、とっても♪」
赤髪に聞かれて勇美は素直にそう答えたのである。幻想郷に馴染んでから今まで幾度となく非現実的な存在を見てきた勇美であったが、ここまで驚いた事はそうそうないのである。
「女神様って事を抜きにしても、ヘカーティア様って凄い存在なのですね」
「まあ、いつもこういう芸当が出来るって訳じゃないさ。ここが地獄だから三つの体を同時に存在させられる訳で、普段は一度に一つの体しか出せないのだよ」
今度は青髪がそう勇美に説明した。それを勇美はうんうんと意欲的な姿勢で聞いていた。
そして、その内容の整理が頭の中でついてくると、今度は彼女の表情はこれでもかってくらい破顔したのだった。
「素敵ですヘカーティア様、あなたのようなHな女神様が同時に三人分も一度に堪能出来るなんて。なので私のさっきの質問の答えは決まりました。月、地球、異界のヘカーティア様……全てモノにしたいです♪」
それを聞いたヘカーティア達は、さすがの彼女達でも意表を突くような答えだったからか、一瞬呆けた様子を見せ、その後に全員でクスクスと笑い始めたのである。
「面白い事言うお嬢さんだね」
「そういう貪欲な子は嫌いじゃないさ。ならば存分に味あわせてあげよう」
「そして、HはHでもHELLの方だがなぁぁぁー! (地獄の女神的な意味で)」
こうしてヘカーティアは勇美から自身に寄せられたアンケートに答えるべくファンサービスの意向を示そうとするのだった。
そして純狐は思った。『最後のは余計』だと。これのせいで、そこはかとなく『ぶっぽるぎゃるぴるぎゃっぽっぱぁぁぁー!』等という奇っ怪な奇声が聞こえてきそうないらぬ不安に苛まれそうになるのだった。
◇ ◇ ◇
こうして、勇美&鈴仙VS純狐&ヘカーティアの最終決戦の火蓋は落とされたのだ。ちなみに、今はこの場にいるヘカーティアは一人の赤髪のみとなっている。どうやら地球と月の体は弾幕ごっこの時に使用するようだ。
まず、先手を切ったのは赤髪のヘカーティアだ。
「まずは小手調べさ! 【異界「逢魔ガ刻」】」
スペル発動に伴ってヘカーティアは右手を翳すと、そこから炎が吹き出したのである。後は簡単であろう、それを敵に向かってぶつけるだけである。
ヘカーティアは炎を纏った手を勇美に向けて振りかざすと、そこから燃え盛る火炎のカッターが射出された。
炎の斬撃、しかも飛び道具という中々に斬新な攻撃。だが、勇美は臆する事なくその攻撃への対処に適した神々へと呼び掛ける。
「『石凝姥
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ