第三章 リベン珠
第31話 神達との邂逅
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
復讐に踏み切る程なのだから、事は重大な話となるのだろうと感じられるのだ。
そして、勇美は何度も話に出てくる嫦娥の夫とやらに強い憤りを感じるのだった。純狐やヘカーティアからことごとく大切なものを奪っていったその非道っぷりに。しかも片方は人の、それも我が子の命を奪うという人の心を感じさせない悪辣な行為なのだから。
しかし、この事については勇美は自分の出る幕ではないと実感する。何故なら、最早彼は純狐に討たれてこの世にはいないのだから。しかも、純狐やヘカーティアという強大な力を持つ者達を出し抜いて、彼女達から大切なものを奪っているのだ。故に彼の力は相当なものだった事が窺えるのだ。
そのような者に、勇美が太刀打ち出来たとは考えられないからである。加えて、彼のような非道な者が弾幕ごっこに賛同してくれたとはとても思えないのだから。
そして……、勇美には今までの話の流れからある考えが引っ掛かっていたのだった。だが、それも含めて今はその事を考える時ではないだろう。
今は、この神の領域の者二人との勝負に鈴仙と力を合わせて勝つ事だけを考えるべきだろう。そう思いながら勇美は鈴仙と共に二人の神の方へと視線を向けたのだった。
その二人を満足気に見据えながら、ヘカーティアは開戦の為に口を開く。
「月の兎は宿敵、嫦娥の部下。この兎を生かして帰す訳にいかないね。そして、その月の兎に味方する人間も同罪だ。そこで、お前達に楽しい選択肢をやろう! 月、地球、異界……殺されたい身体を自分で選べ!」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ