第三章 リベン珠
第31話 神達との邂逅
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すか鈴仙さん! ノーパンとは謂わばメインディッシュですよ。食事で言えばご飯やパンと同じ位の立ち位置にあるのですよ」
「そんなものを主役にしてどうするんですか……」
「そんなものとは何事かぁ〜!」
尚も売り言葉に買い言葉のやり取りをする二人であったが、ここで鈴仙は「勇美さん」と真剣な表情で仕切り直す。
これには勇美もここは真面目にしなければならないと思い、態度を一変させる。余談であるが、ノーパンに入れ込む時の勇美も別の意味で大真面目なのだが、それはまた違う話となるだろう。
漸く悪ふざけがなりを潜めて誠実に振る舞うようになった勇美を見つつ、鈴仙は純狐に対してこう切り出した。
「聞きましたよ純狐さん! あなたが月の民を憎む理由を。あなたの境遇には同情しますが……それでも大半の月の民は関係無いはず!」
「鈴仙さん……」
その鈴仙の言葉を耳にしながら、勇美は思う所があった。
まず、純狐の境遇に対して同情の意を見せた事である。自分本位で『復讐なんて下らない事』等とは決して言わなかった事に勇美は安堵を覚えたのだ。
次に、鈴仙が月の民の事を気遣った事である。今まで一匹狼だった彼女がこうして同志の事を気に掛けられるまでになった。その成長ぶりに勇美は感心したのである。
この二つの事から勇美は結論付けた。──私はこの旅でこの人がパートナーになってくれてとても良かったと。そうでなければこの旅はここまで充実はしなかっただろうと。
そして、その言葉を聞いていた純狐は口を開いたのである。
「確かにそうですね。私は関係の無い者達まで巻き込んでしまった。それは復讐の為とはいえ、恥ずべき事です」
その言葉の後に純狐は続ける。
「クラウンピースが負けた時点で月の民を解放する事は決めていました。彼女にはその旨を伝えてあります。直に月の都は解放されるでしょう」
「それじゃあ……」
純狐の言葉に勇美は期待を胸に返した。これで純狐達が月の都から手を引き、月の民も幻想郷に手を出す必要が無くなり、全ては丸く収まるだろうと。
だが、次に掛かって来た言葉は勇美が期待したのとは些か違う内容であった。
「ですが、私達の復讐をここで終える訳にもいかないのです」
「そんな……」
その純狐の言葉を聞いて、勇美は気が萎えるような心持ちとなってしまった。ここまで話が進んだのに、こうして元の木阿弥になってしまうのかと。しかし、ここで純狐は思いもかけない事を言うのだった。
「私達も復讐を始めた以上、ここで引く訳にはいかないのです。なので、『復讐を遂げる』為にあなた方に私達二人との弾幕ごっこによる決闘を申し出ます」
「えっ?」
純狐のその台詞に、勇美は思わず驚いてしまった。まさか、復讐をやめない態度を見せる二人がそのような提案をしてくるとは思わなかったからだ
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