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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第31話 神達との邂逅
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関係を持てるようになって、勇美の心は実に充実したものとなっているようだ。
 そんな女神の一端から許可を取れたとなれば勇美の心は更にヒートアップしていく事となるのだ。彼女はチャンスは今しかないとばかりに畳み掛けるように言う。
「ヘカーティア様。お許しついでに一つ提案があるのですが?」
「何かな?」
 一体何を言われるのだろうと、ヘカーティアは首を傾げる。そして、鈴仙と純狐の外野二人はこの先を言わせた事を後に激しく後悔するのだった。
「あなた様程の逸材なら、『ノーパン』になったら更に魅力的だと思うのですが、いかがでしょうか?」
 その瞬間、場の空気は凍り付いた。無論、純狐が先に鈴仙とのスペルで相殺されたあの弾幕は発動してはいない事は言うまでもないだろう。
 そして、二人の脳には漸く血流が滞りなく流れて来て思考が戻る。
「あ、あなたはヘカーティアに何をさせようとしているのですか!?」
「勇美さん、自分がノーパンになりたがるだけではなくて、挙げ句の果てには他人にまで薦めますか!?」
 間髪入れずに外野からのツッコミは連続してぶち込まれたのだった。二人の思考は正常に戻った事がここに分かるようだ。
 対して、当事者のヘカーティアはと言うと……。
「ゴクッ……」
 思わず生唾を飲み込んでいたのだった。
「ヘカーティア……」
 これには純狐は、自分の無二の親友を別の世界の生き物のように見てしまうのだった。まあ地獄の女神だから実際に純狐とは別の世界の住人であるのだが。
「『ゴクッ』って何ですか? あなたはどこぞの童貞ですか? 寧ろパンデモニウム的な意味でその宿敵だと思うんですけどねぇ?」
 思わず別次元のツッコミを入れてしまう程に純狐はいきり立っていた。誰だって友人がノーパンになる事に興味を持ち始めたら嫌だろう。
「ああ、すまん純狐。まるで目の前に高級
霜降り肉のステーキと高級赤ワインがぶら下げられたかのような感覚に苛まれてしまってな……」
「ノーパンってそんな大層なものじゃありませんって……」
「何……?」
 その純狐の一言を勇美は聞き逃さず、かつ許せなかったようだ。
「純狐さん……訂正して下さい。ノーパンってのは相場5億円のエメラルドの装飾と同じ位の価値があるってものですよ。それを……!」
「いや、エメラルドに謝りなさい」
 全くを以て純狐の主張は正しかった。だが残念、今この場でそれに賛同する者は鈴仙しかいなかったのである。
 話が変な方向へ進んでいる。このままではいかんと、鈴仙は自分を奮い立たせて流れを変えようとする。
「勇美さん、茶番はその辺にしましょうね」
「何ぃっ……い!?」
 この鈴仙の発言も、勇美には許しがたい、如何ともしがたい内容であったのである。当然彼女はその事に対して抗議する。
「茶番とは何事で
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