始まりから夏休みまで
それぞれのサーヴァントの話
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札を沢山渡されたけど、1人だと町のお散歩も楽しくないしなぁ。
退屈だし洋服屋にでも行こっか。
またあの子に会えるかもしれないし。
「…!」
なーんて思っていたら、いた。
洋服屋で会ったあの子が。
不安げな表情で、辺りをキョロキョロ見回しながら不審者めいた動きでその子は大きめの文房具屋から出てきたところだった。
噂をすれば何とやら!
ここで会ったが100年目!早速声をかけてみよう!
「やっほー。」
「!!!!????」
ベンチから立ち上がり、彼の元まで駆け寄って肩に手を置くと、びくりとして驚いた様子で振り返ってきた。
ボクの顔を見て、彼は「誰?」とでも言いたそうな顔だ。
あんなに運命的な出会いしたのにね。どうやらボクのこと、覚えてないみたいだ。
「ほら、ボクだよ!あの時洋服屋さんで会ったでしょ?」
「あの…時の?」
「そう!」
少し考え、「あっ、」という声を上げた。
彼は思い出してくれたみたいだ。
「股間触った人…。」
「ねぇキミ!その覚え方は変じゃない!?」
変な覚えられ方をされてた。
触ったことは確かだけどキミもボクの触ったしそれはお互い様だ。
「ここで会ったのも何かの縁だよ。ねぇキミ、名前は?ちなみにボクは…えーとね、アーちゃん!アーくんでもいいよ!」
「それってニックネームとかじゃ…」
「いいのいいの!細かい事は気にしなーい。」
ここで本名知られちゃったら怪しまれちゃうしね。
まぁそれはそれでと言うことで、彼の名前には純粋に興味があるから聞きたいんだ。
「か、葛城…。」
「それは苗字でしょ?」
「…舞。」
彼の苗字は以前"会長"から聞いてたよ。
でも一瞬自分の耳を疑っちゃった。
「え、舞?舞って言うの!?すごーい!かわいい名前!ホントに女の子みたいだ!」
「そ、そうです…。」
「敬語なんて必要ないよ!ほら!ボクとキミの仲じゃないか!」
恥ずかしそうに自分の名前を言った彼。
傍から見れば完全に女の子だ。
「そこまで仲良くなった覚え…ないんですけど。」
「別にいいだろ舞くん!じゃあこれからどんどん仲良くなろう!なんかボク達、すっごく仲良くなれると思うんだよね!うん!」
ずいずいと近寄れば怯えた様子でその分舞くんは離れていく。
つれないなぁ…。
彼は彼で話さないし、このままじゃ一向に距離は縮まらない。
何か仲良くなれそうな話のネタはないかな?
あっ、これだ。
「舞くん何買ったの?」
「えっ、あ、見、見ないでください!!」
手に持ったその買い物袋。
文房具屋から出てきたから買ったものはある程度わかるけれど、何を買ったのか話のネタにすることにした。
「…ペン?」
「そう…ですけど。」
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