始まりから夏休みまで
それぞれのサーヴァントの話
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
逆のおねがいをしてきた。
「とんだ親不孝者だろうな。こうしてサーヴァントに頼んで、母親の具合を悪いように魔術で誤魔化してくれって言う息子は。」
具合を悪いように見せかけるため、魔術をもって医療機器に細工し、母親の入院期間を延ばすように頼んできたんだ。
「でもそれは、マスターの親への愛情ゆえだろう。」
「…どうだか。」
マスターの母親は、よく無茶をする人だとマスターから聞いている。
もしここで全快して退院し、マスターの現状を知ったらどうなるだろうか。
学校にはキチンと行ってるものの、帰れば夜遅くまで働き詰めの毎日。
休日なんか一日中だ。
友達はいるが一般的な高校生ほど彼は遊んじゃいない。
それを今母親が退院して目の当たりにすればさっきも言った通り怒るだろう。
そうして母親はマスターにちゃんとした学生生活を送って貰うため、また無茶をする。
マスターは、母親には休んでもらいたいんだ。
あれだけ苦労したのだから、今だけは…せめて自分が高校を出るまではゆっくりしていて欲しい。
そう思い、彼は私に頼んだ。
「1人であんまり抱え込むなよ。その為の私じゃないか。な、"友作"。」
「…外ではマスターって呼べって言ったろ。」
時々マスターは、弱さを見せる時がある。
いつも普段は気丈に振舞ってるが、やはり彼は人間なんだ。
誰とでも話せて、なんでも出来る。
けど完璧なんかじゃない。完璧な人間なんていない。
弱さを見せたっていい。私はその、弱さが好きなんだ。
私はその弱さごとマスターを優しさで包み込んであげよう。
「にしても昼か…。はどうする?」
「どこか食べ行こっか。」
「だな。ついでに夕飯の買い出しも。」
「だね!今日こそはキミの舌を唸らせる最高のキュケオ」
「それはもういい!!!!」
?
狩井 暮馬のサーヴァント、巴御前の場合
「巴ちゃん、本当にありがとうね。」
「いえ、居候させてもらっている以上、せめてこれくらいは手伝わねばと…。」
母さんと妹の紗良、そして巴さんが買い物から帰ってきた。
巴さんは両肩にいくつもの米袋をかつぎ、涼しそうな顔で歩いている。
サーヴァントだからというものもあるけど、伝承によれば巴さんは相当力持ちだったそうだ。
FGOでもその馬鹿力は遺憾なく発揮されてるしね。
「おかえり巴さん。」
「ええ、ただいま帰りました。」
玄関に大量の米袋を下ろし、巴さんは息ひとつあげることなく笑顔だ。
「いやー巴さんほんと頼りになるわ。非力なお兄とは大違いでさ。」
「うっせーな。俺は俺でちゃんと得意分野があるからいいんだよ。」
妹の紗良はこうしていつも俺をおちょくる。
巴さんの前では出来ればかっこいいとこ見せたいが、こいつのせい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ