始まりから夏休みまで
それぞれのサーヴァントの話
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ーターを上る。
ある病室に入ると、そこにおばさんはいた。
「母さん、起きてる?」
「ああ、友作。それにキルケーちゃんも。」
何故病院に来たのか。
それはマスターの母のお見舞いだ。
マスターはたまにこうしてバイトを休み、定期的に母に会いに来る。
そしてサーヴァントである私の事だが、留学生でマスターの家にホームステイさせてもらっているという設定で通している。
「調子はどう?」
「だいぶ良くなってるってお医者さんも言ってたわ。退院できる日もきっと来るって。」
「…そっか。」
「友作はどうなの?学校は楽しい?」
「楽しいよ。」
「そう言ってまたバイト漬けの日々とか送ってない?ちゃんと高校生らしい生活をするのよ。お母さん、夜遅くまで遊んでましたっていうことよりそっちの方が怒るからね!」
それから友達はいるのか、勉強は上手く言ってるのか、悪いことはしてないか、喧嘩したりしてないか、また無茶してないかとマスターの母はあれこれ根掘り葉掘り聞いてくる。
きっと、マスターの事が心配で仕方がないんだろう。
「キルケーちゃんどう?友作、嘘ついてないかしら。」
「大丈夫だよお母様。私の目から見ても、ちゃんとした学生生活を送ってるよ。」
「ああ…なら良かったわ。」
母親は無理をしすぎて過労で入院したとマスターから聞いた。
幼い頃に父親は離婚し、女手一つでマスターを育てた友作。
彼に苦しい思いはさせたくない。不自由ない生活を送って欲しい。
そうして息子のために無理して朝も夜も働いた結果がこれだ。
一応、マスターとの約束で母親にはバイトばかりしている事は黙っているようにと言われている。
とはいっても、マスターは本当に充実した学生生活を送れてるみたいだし今言ったことに対して嘘は言ってないからこれはこれでいいだろう。
「キルケーちゃん、これからもよろしくね。うちの息子は隙あらばすぐ無茶するから。」
「うん、分かったよ。」
うん。そうやってあれやこれや無茶するのは、親に似てしまったわけだけどね。
?
結局、マスターの母とだいぶ話し込んでしまい気付けばお昼を過ぎていた。
母は定期検診の為医者に連れられどこかへ。
ということで私達も帰ることにした。
「…キルケー。」
「うん?」
「どうだ?」
病院を出て、少し歩くとマスターが私に尋ねる。
勿論、あの事だろう。
「大丈夫。退院の可能性があるとは言ってたけど、そうはさせないさ。魔術で誤魔化したから問題ないよ。」
「そうか。いつもありがとな。」
母親が入院している。
なら、薬学に精通している大魔女の私ならすぐに退院させてあげられるよ。
過去に、そう言ったことがある。
しかしマスターからの返事はNO。
だけど私に真
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