第十話 思わぬ、嬉しい転校生その十三
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「急にどうでもよくなったし」
「だからね」
二人がこう言う間にだ。千春は周りの彼女達の目も見た。するとだ。
彼女達も急に大人しくなってだ。野田と永田に答えたのだった。
「そうね。それじゃあね」
「もういいわよね」
「じゃあ。これでね」
「帰ろう」
彼女達も敵意や悪意は消していた。そしてだ。
野田と永田はだ。こう千春に言ったのだった。
「まあ。あんたはあんたで勝手にやったら?」
「正直どうでもよくなかったからね」
「もう私達あんたに何も言わないから」
「何もしないからね」
こう言ってだ。そしてだった。
全員千春の前から姿を消したのだった。千春は一つ難を逃れた。
しかし今度はだ。この二人だった。
居川と田仲は下卑た、二人だけが全く気付いていない笑みを浮かべて千春が校門で希望を待っているところに来てだ。こう声をかけたのである。
「ねえ、これからさ」
「何処か行かない?」
「あれっ、君達って」
その二人を見てだ。千春は言った。
「確か希望の」
「あんな奴どうでもいいからさ」
「俺と付き合わない?」
最初に言ってきたのは居川だった。その下卑た笑みで千春を誘ったのだ。
「あいつよりもずっと楽しめるよ」
「いらない」
素っ気無くだ。千春は返した。
「君とは付き合わないから」
「えっ、何でだよ」
「君性格悪いから」
はっきりとだ。千春は居川に答えた。
「だから付き合わないよ」
「おい、それって」
「僕。君が嫌いだから」
こうもだ。千春は居川に対して言った。
「お友達にならないから」
「何だよ、それって」
「ははは、振られたな」
田仲がだ。あっさりと断られた居川に笑って言った。
そしてだ。そのうえで今度はだ。彼が出て来て千春に言った。
「じゃあさ。俺とさ」
「希望とじゃなくて?」
「あんな奴のことなんて忘れてさ」
やはり下卑た笑みでだ。千春に言ってきたのだ。
「俺と付き合おうよ」
「君と?」
「これから遊ばない?ゲームセンターでも行ってさ」
「ううん、しないよ」
千春は微笑んでだ。田仲にもこう答えた。
「君ともお友達にならないよ」
「えっ、俺とも?」
「君も性格悪いから」
居川と同じくそうだというのだ。千春は穏やかな笑みで田仲にも言う。
「だから君ともお友達にならないよ」
「何でだよ。俺サッカー部なのに」
「俺だって陸上部だぜ」
「あんな部活も何もしてない。しかも勉強だってできない」
「そんな馬鹿と付き合って」
「何でいけてる俺達と駄目なんだよ」
「いけてる?」
二人のその自惚れにもだ。言う
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