第四章
[8]前話
「それでだったからな」
「もう諦めかけたのね」
「けれど姉ちゃんに言われて姉ちゃんが頑張ってくれたから」
それでというのだ。
「今の俺があるよ、全部姉ちゃんのお陰だよ」
「違うわよ、それは」
姉は弟に微笑んで答えた。
「やっぱりそれはね」
「俺がっていうんだ」
「そう、あんたが頑張ったからよ」
姉は弟に笑顔で言葉を返した。
「だからよ」
「今の俺があるんだ」
「さもないとあれだけの選手になっていないわ」
レギュラーになり一億円プレイヤーにもなっていないというのだ。
「バントの記録も達成して今もコーチをやれてるでしょ」
「そこまでなっていないんだ」
「そうよ、だからね」
それでというのだ。
「あんたが努力したからよ」
「いや、その努力が出来る様になったことは」
「私がいたからなの」
「そうだよ、姉ちゃんが支えてくれたから」
それでというのだ。
「今の俺があるんだよ」
「そう言ってくれるのね」
「実際にそうだから、それと姉ちゃん今は」
「ええ、エッセイを書いてね」
姉は弟が振って来た話にも笑顔で応えた。
「そちらでも知られる様になってるわ」
「そうだよな、姉ちゃんこれからも頑張っていくんだな」
「そうしていくわ、それであんたもね」
「うん、これからも頑張っていくよ」
「お互いにこれからもね」
「頑張っていこう」
「そうしていきましょう」
こう話してそうしてだった。
平野は中日のコーチとしても頑張った、そして今も姉への感謝の気持ちを忘れていない。今の彼があるのは彼女¥がいてからこそだと誰よりもわかっているからこそ。
姉一人弟一人 完
2020・12・17
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