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八条学園騒動記
第六百七話 やっと終わったその六

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「今まさに真犯人がわかるのに」
「そんな大事な時なのに」
「誰が真犯人かさえね」
「わからないね」
「もうこれは」
 それこそというのだ。
「わかったら凄いよ」
「僕もそう思うよ」
 シッドは兄のその言葉に同意した。
「これはね」
「お話どころじゃないね」
「そうだね」
「歌と踊りはあると思っていたけれど」
「マウリア映画だから」
「けれどね」
「ここまでだと」 
 それこそというのだ。
「頭に入らないね」
「そうだよね」
「ただ真犯人は今わかったわ」
 エイミーが二人に言った。
「それがね」
「一応原作通りだよ」
 トムは従姉に応えた。
「真犯人は」
「そうなのね」
「謎もね」
 こちらもというのだ。
「一応は」
「一応なんだ」
「魔改造の限りを尽くしたけれど」
 マウリア流のそれをというのだ。
「けれどね」
「それでもなんだ」
「原型の僅か位はね」
「それ殆どないってことかな」
「そう言うかもね」 
 トムは弟の言葉を否定しなかった、自分が観てもそうとしか思えないことであるからこう言ったのである。
「正直」
「それでも一応はだね」
「原作通りで」
「真犯人もなんだ」
「そうだよ。そしてこれからが」
 真犯人がわかってというのだ。
「最後の最後のね」
「見せ場だね」
「そうなるよ」
「普通真犯人がわかって終わりだけれど」
「まだ上映時間あるし」
 それも結構あった。
「だからね」
「それでなんだ」
「ここからマウリアの推理映画じゃ定番っていう」
「ラストバトルがあるんだ」
「真犯人とね」
「犯人わかって終わりじゃなくて」
「ここからバトルがあるんだ」
「そうなんだ」
 実際にというのだ。
「マウリア映画は定番は何があっても入れるから」
「娯楽だからだね」
「もうストーリーをカオスにしてでも」
 それでもというのだ。
「平気でね」
「定番は全部入れるから」
「だからね」
 それでというのだ。
「ラストバトルがね」
「これからはじまるんだ」
「これがまた凄いらしいから」
 マウリア映画のそれがというのだ。
「見どころだよ」
「見どころは多いね」
「それを絶対に入れるのがマウリア映画だから」
 それ故にというのだ。
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