外伝〜彷徨える霊姫〜 後篇
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べき務め”じゃないかしら?貴女が新たな存在理由を持ち、その責を全うすること。それが失った者達への”手向け”にもなると思うわよ。」
「ベルフェゴール……」
アンリエットに向けたベルフェゴールの言葉を聞いたリィンは驚きの表情を浮かべた。
「そ、その務めが………彼――――――リィンさまを……わたしがお守りするということ、なのですか……それが叶えば、わたしが世に留まる意味もできる、でしょうか……?」
一方ベルフェゴールの言葉に感銘を受けているアンリエットの佇まいが、徐々に明るいものへと変容していた。
「勿論♪貴女がご主人様を守るように、ご主人様も貴女の心の寄る辺となってくれるわ――――――そうでしょう、ご主人様?」
「ああ、俺でよければ契約してくれ。」
アンリエットの問いかけに答えた後ベルフェゴールにウインクされたリィンはアンリエットの様子を見てベルフェゴールの提案に載る事がアンリエットの為になると判断し、力強く頷いた。
「魂を慰め、漂うために在るものではなく……生命を感じ、歩み続けるために在る……それが、わたしがあなたさまを守るということ……はい……わたし、やってみます……!よ、よろしくお願いいたします……」
(え、ええー………さっきまであんなに沈んでいらっしゃったのに、ベルフェゴール様の提案であっさり元気を取り戻されるなんて、一体どういう事なのでしょうか……?)
(フフ、”自分が世に留まる新たな理由”ができた事が元気を取り戻した一番の理由でしょうね。)
(それと後は今まで”孤独”だったアンリエットにとっての心の寄る辺の相手である主ができた事も一因だろうね。)
(うぐぐ……魔神であるベルフェゴールの提案で死霊が我が主と”契約”を交わす等、本来は”天使”としては反対すべきですが、アンリエットのように我が主の御慈悲によって”天使の誇り”を取り戻したこの身がアンリエットを気遣う我が主の御慈悲を否定する訳にもいかない上、アイドス様も受け入れているのですから、この身もアンリエットの加入を受け入れるべきなのでしょうね……!)
覇気を取り戻したアンリエットの様子を見て呟いたメサイアの困惑に対してアイドスとレジーニアはそれぞれの推測を答え、ユリーシャは唸り声を上げた後複雑そうな表情でアンリエットを見つめていた。
「うふふ、という訳だから”いつも通り”邪魔者が入らないように結界を張っておくから、後は頑張ってね、ご主人様♪」
そしてベルフェゴールは部屋に結界を展開した後リィンの身体に戻り
「フウ……アンリエットの事を知ったエリゼ達の反応は怖いが……仕方ないか。」
リィンは溜息を吐いてエリゼ達を思い浮かべ、そしてすぐに気を取り直すとアンリエットを
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