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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
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最終章『ふたりで…』
Sとは悪魔か、それとも…/それぞれの戦い
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こうして何も話さずどこかを見ている。

「…ダメですね。私。」
「…。」

長い沈黙だった。
それを破ったのはサーヴァントのジャンヌ。
いつもの元気な姿はなく。その顔もどこか暗く感じられた。
無理もない

「会場はめちゃくちゃ。相手には負ける。その上弟くんに怪我をさせちゃいました。これではお姉ちゃん失格ですね。」

会場は破壊され、神代正義にはかなわず、さらには見せしめとしてオーナーの弟くんの腕は折られた。
弟を守るのが姉の義務なのだとしたら、それは既に守れていなかった。

「…失格なんかじゃないよ。」
「それは…どういう意味ですか弟くん。」

弟くんの左手がスっと動く。
やや迷っているような挙動を見せ、やがて決心したように拳を一度ぎゅっと握ると、

「…!」

姉の手の上にそっと自分の手を置いた。

「弟くん…?」
「失格じゃない。それにジャンヌが本当に失格かどうかはマスターの僕が決めることだ。」

俯いていた姉が顔を上げる。
すぐ横には何にも変えられない唯一無二の存在である彼がいて、そして真っ直ぐな瞳でこっちを見てくれている。

「ジャンヌは、ジャンヌだ。こうして現界して、勝手に姉って名乗ってそれなのに勝手に失格って言って…そんなのは許せない。」
「…。」
「失格なんて僕がさせない。ジャンヌは誰のものにもさせない。それ以前に…自分の大事な人が誰かのエゴで物同然に消費されるなんて…絶対にいやだ。」

知らない間に、自分が思っているよりも弟くんは成長していた。
彼の心は思っていたより強かったし、そして思っていたより我儘だ。
そんな彼を見て、姉は思う。

「これじゃ…ホントにダメですね。弟くんはこんな健気に頑張ってるのに、お姉ちゃんが落ち込みっぱなしでは。」

ぱしん、と両の頬を叩いてジャンヌは自分を奮い立たせる。
弟くんは折れていない。なんならイルカショーを再興するつもりだろう。
それなのに自分は何をしていたか。
弟が頑張っているのに頑張らない姉がいるものか。
そう思い、ジャンヌは立ち上がる。

「財団本部では探偵さん達が戦ってる。だから僕達も頑張ろう。」
「ですね。私達には私達の戦いがありますもんね。」

瓦礫だらけのシルク・ドゥ・ルカン跡地。
入口だった場所には、何十人もの人だかりができている。
応援?違う。

「ここにいたな悪魔め…!」
「弱っている今がチャンスよ!私達であの悪魔を捕らえましょう!」

神代正義により惑わされた、敵だ。
しかし、

「ちょっと!待ちなさい!!」

人だかりから何人かが抜け出し、こちらに向けて走ってくる。
子供だ。
子供達が親の制止を振り切り必死に走ってくるのだ。

「…?」

やがて弟く
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