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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
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最終章『ふたりで…』
Sとは悪魔か、それとも…/それぞれの戦い
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ワネットだ。
「嘘をつくな!!」
「財団が悪?違うだろ!!正義様のいる財団こそが正しいんだ!!悪魔は消えろ!!!」
マリーがどれだけ訴えかけようとも、どれだけ優しく説明しようとも、彼らは少しも理解しようとしなかった。
いや、耳すら傾けようともしなかった。
マリーの声は、彼らの耳に届く前に彼らの言葉でかき消される。
正義の主人公補正により、彼らは完全に正義を信じきってしまっている。
主人公に異を反するものなど、それは傍から見れば悪でしかないからだ。
「正しいとか、悪いとかじゃない。皆それぞれ自分の思いを持って、自分の判断で物事を見て欲しいの!」
彼らは話を聞いてくれない。
彼らの敵意や殺意は、皆マリーに向いている。
しかしそれがどうかしましたかと言わんばかりにマリーはめげず、諦めずに説得を試みている。
そうして罵詈雑言と共に投げつけられる石。
それはマスターである広海が受け止めてくれるが、その分マリーも心が痛んだ。
そして、
「…!!」
ついにぶつけられるものは石ではなくなった。
どこで調達したのかは知らないが、デモ隊の1人が前に出、ボウガンをかまえる。
「死ね!悪魔め!!」
ボウガン程度、サーヴァントならなんてこと無いかもしれない。
「マリー!!」
「あなた…だめぇっ!!」
しかしマリーに怪我を負わせたくない、守りたいという思いが広海を前に出させた。
腕を精一杯広げ、矢から守ろうとする広海。
それではあなたの方が危ないと、肩を押さえて止めにかかるマリー。
サーヴァントとマスター、
互いを守り合う光景ではあるがデモ隊の人には何も響かなかったし届かなかった。
「なっ…!!」
しかし、そのボウガンも悪魔や契約者の胸には届かなかった。
その矢は、また別の矢に射られ弾かれたのだ。
「全く…人間というのはこうも簡単に惑わされるのだな。」
マリーと広海のずっと後ろ。
そこには既に次の矢を番えているアタランテの姿が。
「マスター、どうする?」
「どうするも何も、こうなったカラクリは分かった。後は俺達がそのまやかしから目を覚まさせればいい。」
「なるほど。ならば私は院長に危害が及ばないよう守ればいいのだな?」
「それはアタシの役目であるぞ泥棒猫め。」
そうして現れる院長先生と彼のサーヴァント二騎。
彼は今まで、真壁支配人と共に"とある映像"に目を通していた。
その映像というのが今現在彼らが戦っている財団本部の様子。
キャスター陣営が協力し、彼ら四人四騎の視覚、聴覚は液晶を通して共有されるようになっていたのだ。
というわけで、院長先生達は正義のメアリー・スーを知っている。
「皆が賛同するのも彼が主人公だから。なるほどな…探偵
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