オリジナルストーリー
灼熱の国編
神話の中の者たち
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第三者side
薄暗い霧の中。そこには老若男女問わず、多くの人影が集まっていた。
「またずいぶん荒れたみたいじゃない、アースランド」
その中の一人の女性・・・といっても周りの人影たちと動揺顔は見てない。それは相手にも同じであり、お互いの素性が全く判別できないようになっている。
「まぁ、争い事が絶えないのは仕方ないのよねぇ、恵まれてるから」
そう言ってニヤリと微笑む女性にムッとする質問を投げ掛けた女性。いや、彼女に視線を向けたのは一人ではない。多くの人影が彼女の方を向いていたのだ。
「与えすぎると人たちはそれを奪い合う。未熟な存在の扱いも大変ね」
「あら、私はこの子たちが自分たちで生きていける世界を作っているの。あなたたちみたいに決まりきった世界に当て嵌めるなんてしないの」
イヤミを言ったはずの彼女はそれをあっさりと返されてしまい奥歯を噛み締めているのが雰囲気だけでも感じられる。
「全員、静かにしろ」
その声が聞こえた途端、霧に包まれた人影たちの声が一斉に静まっていく。
「揃っているようだし、今回も始めるか」
全員の視線が届くところ・・・と言っても、彼の姿もしっかりと見えないほどの黒い霧に包まれたその場では、大した意味もないのだろうが。
「これからの世界構築の会議をね」
シリルside
「だからぁ!!なんでダメなんだよ!?」
「うっせぇなぁ!!人の話し聞いてなかったのかよ!!」
ここは評議院。額をぶつけ合い火花が出るほど睨み合っているのは俺たちが所属している妖精の尻尾の魔導士ナツさんと魔女の罪から聖十大魔道が管理することになった評議院へと加入することになったカミューニさん。
「あの・・・エルザさん?」
「なんだ?」
ただならぬ様子の二人。しかし、今俺とウェンディはそれどころではない。その理由は今の体勢にある。
「なんで俺たち急に連れ出されたんですか?」
「まだ依頼も見てなかったんですが・・・」
ギルドに着くと同時にエルザさんの脇に抱えられてナツさん、グレイさん、ルーシィさんたちと一緒に評議院まで連れてこられた俺とウェンディ。シャルルとセシリーがずっと彼女に何か文句を言っていたが、全然聞く耳を持ってもらえずこんなことになってしまっているのだ。
「実はナツがあの戦いが終わったらやりたいことがあるってずっと言ってたの」
「やりたいこと?」
「ギルダーツが途中で断念した100年クエストのことだ」
「「えぇ!?」」
ルーシィさんとグレイさんの言葉に驚かざるを得ない。100年クエストって
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