5 さびしい
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「そっかぁ……きっと、あおいちゃんはさびしかったんやね」
「……『さびしい』?」
『さびしい』……なのはと初めて会った日のなのはの感情。だがそれは一人だからというもとで発生していたはずだ。今ここには私のほかにはやてもいる...だが、若干だがこの現象が起こっている。『さびしい』の定義は一人だからではないのか?
「そうやね、さびしいんや。あおいちゃんはなのはちゃんって子ともっと遊びたいんやね」
「……『さびしい』」
私は……『さびしい』のか? 『さびしい』の定義の範囲を勝手に決めてしまっただけで本当は『さびしい』の定義の範囲はもっと広く私はその内の1つに該当しているということ……なのだろうか。
……『さびしい』。妙にしっくり来る。初めて会ったなのはもこんな感じだったのだろうか。
「……私は、『さびしい』……」
「うん、絶対そうやと思う」
「……」
「んでな、あおいちゃんはこれをなのはちゃんに伝えた方がいいと思うで」
「……伝える?」
「はっきりちゃんと伝えんと、相手はわかってくれん。あおいちゃんがさびしがっとるとかわからんもんね」
うんうん、と頷きながらはやては自身の意見に肯定的な態度を見せる。
「にしても、なのはちゃんって子も気付いてないのはおかしいと思うけどなぁ。会うのが二回目のわたしでも分かったんやし……忙しかったりするんかもな」
まぁ本当に分かってないのかは知らんけどね、とはやては手首に着けてる何かを見て目を見開いた。
「あ! そろそろ行かな……名残惜しいけどもう行くわ」
「……ん」
「またなー、あおいちゃーん!」
「また……はやて」
大きな収穫を得られた。また、ということはこれからも会うことになるかもしれない。
はやてもなのはと同様に感情を理解するための道標のようになるだろう。現に、はやては私の中の現象を言い表してくれたのだから。
「……」
……また、静かになった。聞こえるのは風の音と、風に揺られ空を少し舞う葉の音ぐらいだ。これも『さびしい』のだろうか。
やることもないし住みかへと戻るかと思っていたとき、『こうえん』の入り口の方から何やら音が聞こえてきた。
「ハッ……ハッ……あっ、あおいちゃん!」
「…あ、なのは」
走って来たのか息を切らしたなのはがそこにいた。私の存在を確認すると、喜であろう表情を浮かべ私に突撃してきた。
「ギュ〜っ!!」
いつもより強めの抱きしめ。だが……妙に心地よかった。
「ごめんねあおいちゃん実はちょっとお家の手伝いとかお勉強とかしなきゃでねホントはすっごくあおいちゃんに会いに行きたかったんだけど家ではいい子にしてなきゃだしいや
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