4 としょかん
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ん』」
例の『としょかん』は他の建造物に比べ圧倒的に大きさを凌駕していた。ここまで大きな施設だとは...予想外だ。
その者は少し早足で中へと入り、それに私も続く。そして目に入ったのは...圧巻の一言であった。
『ほん』と呼ばれるものが大量に存在し、それが一律に丁寧に並べられている。驚くべきことに、ここらにある『ほん』を人間は読みはしているものの、殆どの者は持ち帰ることなく、元の場所に戻しているのだ。
人間はきちんと統制されているだということが分かった。興味深い。
辺りを見渡しているうちにあの者はいつの間にかいくつかの『ほん』を持ち私の方へ向かってくる。
「ほら嬢ちゃん、文字の勉強に良さそうな本見繕ってきたからそっちに座って読んだらどうだ?」
「……ん」
漢字とやらも含まれてはいるのもも、解説は平仮名とカタカナのみの表記であるためなんとか読める。一つ一つ丁寧に読んでいくとしよう。
「じゃ、俺は色々ぶらついてくるからここで暫く読んでな。時間が経ったら戻ってくる」
「ん」
さて、読み進めるとしよう──
──────────────────────
「……ふぅ」
全て読み終わってしまった。たまによく分からない表記もあったが概ねだが理解することができた。読めば読むほど興味深いものだな。
漢字もここに書いていた分程度ならば身に付けれた...と思う。だが、こんなに大きな場所なのだ。まだまだ勉強に使える『ほん』はあるだろう。なのはと遊べない時はここにいくのがよさそうだ。
しかし少し疲れが出てきた。グッと背を伸ばし固まっていた身体を解すように少しだけ大きく動く。そのとき、目の前に一人の人間が目に映った。
「ぐっ……」
椅子に車輪がついた何かに腰をかけながら上の『ほん』に手を伸ばす女の子であった。
立ち上がればよいではないかと思うものの、何かそうできない理由があるのかとも思う。その女の子の顔は怒……いや、諦か? わからない。
このまま観察してもよい訳だが、仮に私が取るとどのような反応をするのだろうか。予想では取られたということで怒、もしくは哀が急激に強くなると思う。
よし、実験してみるとしよう。
「んっ……と」
「あ」
その『ほん』を取ってみる。表面はえっと...読めない。知らない漢字が混じってる。まだ私には読めないということか。
このまま持っていても仕方ない。とりあえず女の子にそれを与えてみた。
「ん」
「え、いいん?」
「……? いらない?」
「あ、いるいる! 」
おや、これは予想外。女の子には笑顔が芽生えてしま
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