1 しりたい
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した限り、人間は子供に弱いようだからだ。
そしてどこで観察するかと言えば、それこそ人間が大量に集まるところ……えっと……読めない……
と、とにかく子供とそれに続く人間が沢山集まり、さらにそこに謎の形をしたオブジェがそこらにあり、それぞれが思い思いにオブジェを利用しつつ自由に過ごしていくところだ。ここなら感情とは何かを学べるに違いないだろう。よし、ここをこの星における拠点としよう。
「──そこの嬢ちゃん」
「……私?」
辺りに誰も居なかったので自分のことかと思い、その方を向く。そこには何人かの大分汚れた服を纏った人間がいた。性別は男だろう。
今の私の容姿は所謂女の子になっている。『嬢ちゃん』というのはこの星における女の子を呼ぶときの呼び掛けのようなものだろうか。
「お前さん……両親はいないのかい?」
「……いない」
両親か。何故そんな事を聞くのだろう……。そういえば私は今まで殆ど一人だったな。不便はなかったが。
もしや子供に着いていた人間は両親なのか? だとするとこの星では子供が一人でいるのは不自然なのか。
……何故目の前の人間達は私を見ているのだろう。
「……住んでるところは?」
「……今日からここに住む」
更に目付きが変わったように感じた。なんだこの感覚は。これが感情……? だとしたらこの星に来たのは正解だった。
「……嬢ちゃん、名前は何かな?」
「名前……?」
名前、名前……名前? そういえば私の名前はなんだ……?
ブラッド族、宇宙人とは言われたことはあるが……。
「……名前、ない」
素直に答えておこう。ここであると言っても意味はないから。
「…これは」
「捨て子…か?」
「いや、虐待から逃げてきたという可能性もあるぞ……」
何やら話し合いを始めたようだ。人間に擬態しているせいか普段より耳が遠くよく聞こえない。
「警察案件じゃないか……?」
「ワシらの話を警察がまともに聞いてくれると思うか?」
「どうせ迷子扱いされて元いた所に戻されるのがオチだ。仮にこの子が虐待を受けていたとすればまた……」
「だったら……」
……どうやら終わったようだ。何やら顔つきを変えて全員私の方を見ている。
「……お前さん、ワシらと来ないか?」
「見ての通り俺らもホームレス。近くの土手辺りで共同生活をしているのさ。どうだい?」
「……私が?」
「そうさ。嫌ならいいが……」
いや、これは丁度いい。この星の人間がどういう風な生活をしているか見てみたかったのだ。それも観察するつもりだったのだが、向こうから来ないかと誘われるとは好都合。
あくまで一例に過
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