暁 〜小説投稿サイト〜
とある地球外生命体が感情を知るまで
1 しりたい
[1/4]

前書き [1] 最後 [2]次話
 ──私は、感情が知りたい。

 こんなことを思うようになったのはいつ頃だろう。前の星で感情が無いやつと言われてからだろうか。それとも感情という言葉を知った時からだろうか。

 とにかく最近、感情というやつについて深く考えていることが多い。考えれば考えるほど、よく分からないという結論に達するのだが。

 そんな考えをしている間に目の前で一つ、星が崩壊していき、自身へそのエネルギーが注がれていくのを感じる。確か…前の星でこれを行っていたときに言われたんだったっけ……やはり分からない。

 私はブラッド族。星を喰らいそれをエネルギーとして活動する種族。私のやっていることは生きるための生命活動だ。スケールは違うかもしれないが、他の種族も動物とか植物とかを食って生きているわけであって、それは私のやっていることとほぼ同じではないのか?

 ただの生命活動が無情だと言われる。それは逆に自分達には感情があると言っているようにも聞こえる……やはり分からない。感情とは、一体なんなのか。

「……よし」

 星の吸収をエネルギーが僅かに残った状態で打ち切る。これをすることにより再び星が形成されるだろうから、連鎖の輪が途切れることはない。きちんと再生出来るようにしてるのになんであんなに言われたのだろう。さらに分からない。

「……知りたい」

 この思いも感情じゃないのか。私は感情を持ってないのか。そもそも感情とは何なのか。色んな考えが駆け巡っては消えていく。そのたびに知りたいという思いが更に増していく。

「……ん」

 どうやったら知ることが出来るのかを考えてみることにする。もうブラッド族の星であるブラッド星そのものは無くなってしまったらしいからそこで学べないし、感情があるという感じだった前の星の種族は多分もういないし、ブラッド族自体感情が無いらしいからそもそも参考にはならないだろうし……。

「……」

 探す、しかないか。感情があるっぽい種族のいる星を探して、その星でその種族を観察する。これが最適解のはずだ。

 幸いにもエネルギーには蓄えが全然ある。あと100年はもつだろう。

 もしエネルギーが大量に無くなってしまったとしても、その時はその時でいい。その時はその星を喰らってしまえばいいだけの話だ。

「……うん、行こう」

 宛もなく、ただひたすら宇宙空間をさまようことにした。星を見つけたら行ってみて、そこにいる種族を少し見てみる。求めているものと違うと感じればまた別の星へ行く。エネルギーがいると感じればその星を喰らう。それでいいだろう。

 私の思いを満たしてくれる星は見つかるのかな?



 ──────────────────────



 この星は……違う気がする。確か
前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ