最終章:無限の可能性
第287話「佳境」
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う返すが、その顔には僅かに汗が滲んでいた。
戦闘続行ではあるが、それでも堪えたのだろう。
「私達の役目は変わりませんよ……ただ足止めする、それだけです」
「っ……!」
裏を返せば、勝てなくとも戦わなくてはならないという事。
元々勝てるか分からない勝負だったため、既にその覚悟は決まっている。
サーラとユーリも即座に構え直し、追撃をまず凌いだ。
「……幸いと言うべきか、敵が多い代わりに味方も増えますけどね」
「味方……?」
ルフィナの言葉に一瞬疑問に思うユーリ。
直後、すぐに気づく。
普通なら来るはずの追撃が止んでいた事に。
「随分と広範囲が戦場になったようですね」
「ッ、これは、一体……?」
いつの間にか、そこはイリスの勢力と別の勢力が入り乱れていた。
“性質”も飛び交い、それが逆に相殺し合っている。
流れ弾や四人を狙った攻撃もあるが、それらは落ち着いて対処する。
「イリスは“闇の性質”を持ちます。……となれば、当然ですが対となる“性質”も存在するのは道理ですよね?」
「“光の性質”……?」
その“性質”に二人は既に一度遭遇している。
無論、同じ“性質”でも別の神は存在するのも理解していた。
「基本的にそういった対となる“性質”は、お互いの力量が拮抗するようになっています。あらゆる世界の均衡を保つためにも」
「私達が遭遇した“光の性質”の神は、大した力を持っていませんでしたが……」
「その場合は、対応する“闇の性質”の神も弱かったのでしょう」
神界における“性質”は、あらゆる世界の概念や法則にも影響を及ぼす。
謂わば世界のあらゆるものを分担して司っているのだ。
だからこそ、均衡が崩れればあらゆる世界に悪影響が起きるため、光や闇と言ったわかりやすく対となっている“性質”は、どちらかが明確に強いという事はあり得ないのだ。
「となると、イリスに対を成す“光の性質”は……」
「イリスと同じく、かなりの力を持ちます。おそらく、味方している神々はその神を中心とした勢力なのでしょう」
見る限り、流れ弾以外でミエラ達を狙う攻撃は洗脳された神ばかりだ。
悪神や洗脳された神を攻撃する神々からは、攻撃は来ていない。
「ッッ……!?」
直後、光の柱が四人を囲うように出現する。
同時に、流れ弾や四人を狙った攻撃が須らく消し飛ばされた。
「この理力の強さ……!」
「まさか……」
柱は四人を覆う円柱となり、そのまま光の波動として周囲を一気に薙ぎ払った。
周囲に敵はいなくなり、代わりに一人の女性が現れた。
長い金髪に碧眼の、まさに女神と言った容姿と服装の女性だ。
「……通り
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