第一章
[2]次話
寒い雪の降る中で
ペンシルバニア州メカニクスバーグで動物愛護活動をしているジャニーン=グイド痩せた還暦を過ぎた彼女に連絡が来た。
「犬がですか」
「はい、そうです」
地元の人が彼女に話した。
「外で一匹だけでいまして」
「この天気にですか」
グイドは思わず窓の外を見て顔を曇らせた、外は大雪である。
「外にですか」
「そうです、ずっといます」
「凍死してもおかしくないです」
大雪の中にずっといればというのだ。
「幾ら犬でも」
「そうですね、ですから」
「これからですね」
「来てくれますか」
地元の人もグイドに言った、頼む様に。
「出来れば」
「出来れば?」
「この天気ですから」
大雪だからだというのだ。
「グイドさんも」
「出来ればではないです」
グイドの返事は強いものだった。
「誰でもどんな生きものでも何時でもです」
「助けてくれますか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「今からです」
「来てくれますか」
「すぐに行きます」
こう言ってだった。
グイドは夫に出て来るからと言って自分で車を駆って現場に向かった。タイヤも車も雪でも動けるもので問題なかった。
それで現場に着くとだった。
茶色と白のコリーを思わせる外見の黒い目の犬がいた、耳はやや垂れている。その犬はずっとそこに座っていた。
その犬を見てグイドは待っていてくれた地元の人に言った。
「貴方も寒い中で」
「これ位平気です」
初老のその人はこう返した。
「この子のことを思えば」
「そうですか」
「それでなのですが」
「はい、この子をですね」
「保護したいですが」
それでもというのだ。
「それが動かないのです」
「ここからですか」
「はい」
そうだというのだ。
「どういう訳か」
「この大雪の中で」
「そうです」
グイドに困った顔で話した。
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