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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第73話:その名は旗頭に非ず
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い違わず、ノイズ達を吹き飛ばした。
 しかしミサイルが吹き飛ばしたのはノイズだけでは無かった。先程の飽和攻撃の余波で建物のあちこちにダメージが響いていたのか、今の攻撃の余波で壁や天井の一部が崩れ落ちたのだ。

 崩れた壁の向こうでは、夜が明けつつあるのか東の空が明るくなり始めていた。

「あっぶね!? 崩れるぞ!?」
「さっきの攻撃が過剰すぎたか!」
「くそ、何時もならあんな無茶苦茶な攻撃やらないのに、あの博士一体何しやがった!?」

 シンフォギアは毎回了子の手により整備されている為、万に一つも不備など起こる筈がない。考えられるとすれば、ウェル博士が何かを仕込んだと言う可能性だ。魔法使いが何かを仕掛けたと言う可能性もあるが、それだと透が何の影響も受けていない事に説明がつかない。

 等と考えていると、響が空を見上げて何かに気付いた。

「あれはッ!?」

 響の視線の先では、気球の様なノイズが先程のケージを運び去ろうとしていた。

「あん中には化け物が入ってるんじゃねぇのかッ!? くっ、海の方へ向かってやがる――!?」
「北上、行け!」

 運び去られつつあるケージを見て、翼が透にノイズの撃墜とケージの回収を指示した。この場で唯一単独飛行できるのは彼だけだ。彼なら何者に邪魔される事も無く、ケージの回収が出来る。
 だが彼がこの場を離れるという事は、演奏による負担の軽減が出来なくなるという事。何が原因で適合係数が下がっているか分からない現状、ヘタにこの場を離れる事に透は抵抗があった。

 が、クリスに撃ち落とさせても距離的に回収が困難だ。もうケージを運ぶノイズは海の上。ここから撃ち落としては、ケージは海に落ちて沈んでしまう。

「透、頼む!」
「……!」
〈コネクト、ナーウ〉

 僅かに逡巡する透だったが、クリスの言葉に頷くとライドスクレイパーを取り出しそれでノイズへと向かって飛んだ。流石にノイズに比べれば透の飛行速度は速い。あっと言う間に追いつき、カリヴァイオリンでノイズを切り裂くと落下し始めたケージを回収すべく手を伸ばす。

 そして彼が見事にケージを空中でキャッチし、そのままクリス達の所へ戻ろうとした時――――――

〈ライトニング、ナーウ〉

 突如として稲妻が彼に襲い掛かった。咄嗟に回避する事には成功した透だが、その際にケージを落としてしまう。
 急いで落下し始めたケージを再回収しようとした透だったが、その手は直前で飛来した槍に弾かれた。思わず距離を取った透の前で、ケージはその槍の上に立つ人物に回収される。

 透の行動を妨害したのは奏のアームドギアの色違いとも言える槍。漆黒のその槍はそのまま海面に浮き、石突部分にシンフォギアを纏ったマリアが降り立った。

「残念だった
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