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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第73話:その名は旗頭に非ず
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画で見るようなエイリアンそっくりだ。

 透の攻撃を喰らったそいつは、壁や天井を蹴って素早く動き回り、天井の鉄パイプを足場に再び奏達に襲い掛かった。

「オラァッ!」

 襲い掛かったそいつを、奏はアームドギアで一突きにした。しかし怪物は刺し貫かれる事なく廊下の向こうへ吹き飛ばされた。
 そう、吹き飛ばされただけである。体を穿たれる事も無ければ、その身が炭化する事もない。

「何だアイツッ!?」
「アームドギアで迎撃したんだぞッ!?」
「なのに何故、炭素と砕けないッ!?」

 瞠目する奏達に、怪物はまたしても襲い掛かろうとした。

「まさか、ノイズじゃ……ない?」

 響の言葉に、奏達はある事を思い出していた。

 先日のライブ会場での事件と同時に起こった、米国の軍事基地への同時多発攻撃。この時に一緒に襲撃を受けた米国連邦聖遺物研究機関――F.I.S.から聖遺物がいくつか強奪された。

 その中には、基底状態の聖遺物もあったと言う話だ。

「まさか、あれ……完全聖遺物かッ!?」

 その結論に至った時、廊下の奥から手を叩く音が聞こえてきた。

 現れたのは、響とクリス、透にとって見覚えのある白いコートの人物。

「お前は――!?」
「ウェル博士ッ!?」

 透達にとっては忘れる訳もない。まんまとソロモンの杖を持って逃げたウェル博士がそこに居た。

 彼が姿を現すと、怪物は彼の傍に置かれたいたケージの中へと自分から入って行った。怪物が入るとケージの扉が自動で閉じ、ロックが掛かる。

「意外に聡いじゃないですか」
「貴様――!?」
「テメェ、ノコノコと顔を見せやがってッ!」
「ソロモンの杖を返してくださいッ!」

 ウェル博士の登場に5人は身構える。彼は色々な意味で重要参考人だ。ソロモンの杖強奪に関しても、ジェネシスと手を組んでいた事に対しても。

「それは出来ない相談ですねぇ」

 ウェル博士は響の言葉に拒否の姿勢を見せると、コートの内側からソロモンの杖を取り出し数体のノイズを召喚した。
 それを見て透は再び演奏の為にカリヴァイオリンを構えた。

「バビロニアの宝物こよりノイズを呼び出し、制御する事を可能にするなど、この杖を於いて他にありません。そしてこの杖の所有者は、今や自分こそが相応しい……そう思いませんか?」

 四角い眼鏡の奥で目をギラつかせながらウェル博士はそう宣った。その目を見て奏は確信する。こいつは話して分かる相手ではない。黙らせるには力尽くでなければならない。

「思うかよッ!」

 迫るノイズに向けて、クリスがミサイルを発射した。先程までであればバックファイアが襲ってきていたであろうが、今は透がその負担を軽減してくれている。ミサイルは狙
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