暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第73話:その名は旗頭に非ず
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だ。奏の目論見通り廊下のノイズは一掃され、後には炭化したノイズの残骸だけが残される。

 その光景に奏は得意げな顔をし、活躍を取られたクリスは悔しそうに顔を歪めた。

「へへん! どんなもんだい?」
「ん〜〜!? チッ!?」

 良い所を取られて、クリスが思わず舌打ちをした。そんな彼女の様子に後ろで見ていた響と翼が苦笑を浮かべている。

 が、透は違った。廊下の奥を見ていた彼は、そこで起こる変化に気付き慌てた様子でそちらを指差した。

「ん? どうした透……なっ!?」

 一早く透の異変に気付いたクリスが彼の指差す先を見ると、なんと炭化した筈のノイズが立ち上がったではないか。しかも破損個所が再生している。

「何っ!?」
「こんのぉぉぉぉぉっ!」
「あ、響待てッ!?」

 目の前で起こる異変に、響が突撃し拳を叩き付ける。拳は見事にノイズの土手っ腹をぶち抜き風穴を穿つが、その穴もまるでビデオの逆再生を見ているかのように塞がっていった。

「えぇっ!?」
「チッ!? 離れろ響ッ!」
「ハッ!」

 響の肩を引っ張って後ろに下がらせ、代わりに前に出た奏と翼がアームドギアを叩き付けるが、やはりノイズは損傷個所を再生させ立ち上がった。

 幾ら倒しても、数が減るどころか再生するノイズ達に奏達は徐々に追い詰められる。

 そんな中で、変わらず活躍するのは透だった。彼の攻撃だけは変わらずノイズを炭化させ、クリスに迫るノイズを片付けていった。

「透だけはノイズを倒せてる? 一体どう言う…………ッ!? まさかッ!?」

 ノイズの攻撃を防ぎながら、この不可解な事態の原因を探っていた奏はその違和感の正体に気付いた。

 直後に通信機から声が響く。

『装者達の適合係数が低下ッ!』
『このままでは戦闘を継続できませんッ!』

 やはりそうだ。この事態はギアの出力が低下した事で起こった事だったのだ。でなければ、ギアで攻撃できるにも拘らずノイズが再生出来てしまう事への説明が付かない。

 その結論に至った瞬間、奏の肝が冷えた。何故だどうしてだと考えるのは後回し。ギアの出力の低下は、彼女にとって無視できない問題を生むからだ。

「友里さんッ!? 颯人は今どうなってるッ!?」

 奏は本来、ギアを纏う際に翼達と違い時間に制限が付く。薬品で強制的に適合係数を上げているので、時間が過ぎればバックファイアが負担となって彼女に襲い掛かるのだ。
 だがその負担は現在、魔法によって颯人が請け負っている。普段の戦闘であれば、限界が来る前に戦闘が終わるので颯人に掛かる負担はそこまでではないのだが――――――

『颯人君は現在、外で魔法使いと交戦中よ。でも……』
「でも、何!?」
『……奏ちゃん達の適合
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