暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第73話:その名は旗頭に非ず
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け大口叩いておきながら怖がるクリスの姿に、奏は良い玩具を見つけたとでも言う様な笑みを浮かべていた。

「や〜っぱりクリスも怖いんじゃん」
「う、うるせぇっ!? 今のは、ちょっとびっくりしただけだ! つか何だ今のッ!?」
「さぁ? ま、大方ネズミか何かが通ったんだろ」

 ここが武装組織フィーネのアジトとして使われているなら、潜伏の為の食料などもあるはず。そしてネズミとは、そう言う人間の食料やその生ごみを狙って集まってくる。ネズミが居るという事は、ここが武装組織のアジトとして人の気配があるという事を意味していた。

 そう思って奏が呟くと、クリスが抱き着いている透が肩をビクリと振るわせた。彼の挙動に気付いた響は首を傾げ、クリスは不味いと言う顔をした。

「どうしたの、透君?」
「えっ!? あ、や、何でも無い!? 何でも無いんだよ、な? 透?」
「? 何慌ててんだ?」

 変な反応を見せるクリスに、奏は響と揃って首を傾げた。何だか分からないが、面白そうな気配を感じる奏。

 だがこの事に関して、これ以上触れることは出来なかった。

「静かに。どうやらお出迎えらしい」

 警戒心を滲ませる翼の声に、全員が一斉に気を引き締める。ふざけていられるのもここまでの様だ。

 廊下の奥からノイズの群れが向かってくるのが見える。

 それを見て、透はメイジに、奏達はシンフォギアを纏って戦闘を開始した。

 まず真っ先に仕掛けたのはこの中で最も遠距離攻撃に長けているクリスだ。アームドギアをガトリング砲に変形させ、ノイズの群れに向って引き金を引く。

[BILLION MAIDEN]

 無数の銃弾が次々とノイズを撃ち抜き、吹き飛ばす。だがノイズは次から次へと姿を現し、減らす数以上の増えて迫ってくる。

「やっぱり、このノイズはッ!」
「あぁ。間違いなく制御されているッ!」
「当たりだな。少なくともウェルの野郎はここに居るッ!」

 一行はノイズを薙ぎ払いながら先へと進んで行く。ノイズが廊下の向こうから来て、それが制御されたものであるのならソロモンの杖を持つウェル博士が居るのはこの先に違いない。

 しかしノイズは相変わらず廊下を埋め尽くさんばかりの数で、一向に迫ってくる。クリスの攻撃で薙ぎ払えてはいるが、これではキリがない。

「よし、ここはアタシが一気に吹っ飛ばしてやる! ちょっと離れてな!」
「あん? こう言うのはあたしの役目だろうが!?」
「ケチくさい事言うなっての。少しは暴れさせろ!」
[LAST∞METEOR]

 奏のアームドギアを回転させて放つ竜巻が、廊下に蔓延るノイズを一気に押し流した。相手を押し出すノックバックに関して言えば、クリスのガトリングによる攻撃よりこちらの方が上
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