暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga22-A真実への扉〜The last 4 steps〜
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そして“T.C.”も「ではあたしもこれで失礼するわ。魔力、ありがとう」と一礼して、すぅっと消失した。それを見送ってすぐ、聖下は力なく倒れ伏して、私も意識を失った。
†††Sideフィレス⇒トリシュタン†††
「ようよう。トリシュタン、アンジェリエ。オレぁ、もうちょっと粘ってくれるって思ってたんだけどな」
息も絶え絶えな私とアンジェを見て、リッタはそう言って残念がった。聖王教会本部の正門の防衛を任された私とアンジェと兄様パーシヴァルは、リッタ、エッタと名乗る姉妹と交戦。激闘を繰り広げたのだけど、相手の方が一枚上手だった。
「ゴリラめ・・・!」
私は片膝を突き、仁王立ちでこちらを見下ろしてくるリッタを睨み上げ返す。アンジェも私と同じように疲労困憊のようで両膝を突いて、“ジークファーネ”を杖代わりにすることで倒れないようにしている。私とアンジェの2対1で戦ったにもかかわらず、リッタは笑えないレベルの防御力と、こちらのデバイスを文字通り削ってくる攻撃力の所為でピンチに陥っていた。
(兄様・・・)
銃器を扱うエッタの防御力もまたすさまじく、兄様の攻撃のすべてを無力化。ただ、エッタの攻撃も兄様の機動力に追いつけず、効かず当たらずで今なお少し離れた場所で交戦中。
「ゴリラで結構だぜ。自慢の拳を褒めてもらってるようなもんだからな! で、どうすんだ? もう足腰も立たねぇんなら、オレも姉貴に合流して、あのお兄さんをぶっ倒さないといけねぇからな」
「させ・・・ない・・・!」
「ええ・・・私たちが必ずあなたを止めます・・・!」
力を振り絞って立ち上がり、「よっしゃ! よく言ったぜ、お嬢さん達!」と嬉しそうに笑うリッタは構えを取った。私は弓形態の“イゾルデ”に魔力矢を番え、アンジェは“ジークファーネ”の魔力幕をピンと張った状態で魔力刃化させての大鎌形態へ。
「アンジェ」
「トリシュ」
――滅び運ぶは群れ成す狩り鳥――
小さく呼吸を繰り返して、私たちの攻撃を律義に待ってくれているリッタへと放つのは、射た矢が数百本の魔力光線として相手を襲撃する射撃魔法。もちろん神秘カートリッジの恩恵で魔術師としてさらに強化されているから、正真正銘の魔術師であるらしいリッタにもダメージは与えられる・・・はずだった。けれど、どうも彼女の防御を貫けない。
魔術にとって重要なのは、魔力量ではなく神秘という不思議なパラメータ。濃ければ少ない魔力でも強力になるけれど、薄ければどんなに魔力量があっても弱くなる。理想は神秘が濃く、そして魔力量も多いこと。その魔術のルールから見れば、私とアンジェや兄様の利用している神秘が、リッタやエッタの神秘より弱いということ。
(それでも退くわけにはいかない!)
「はあああああああ!
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