リモート会議
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初
への説明は後だ。マッチョを満足させてお帰り頂くのが先決である。
「へぇ…なんか…ボディビルの掛け声、みたいな」
「…なにお前、そういうの詳しいタイプ?」
「うーん…詳しくなりたくないけど、親父がずっとやってるから…」
「お前の親父かーーーーい!!」
14人全員から同じツッコミが入った。
弾かれたように振り向いた三沢は、一瞬最高にイラついたような表情を浮かべ、次の瞬間スッと立ち上がってマッチョを追い出しにかかった。
「なにフレームインしてんだよ!もう諦めろって云ってんだろ!?」
……諦める?
名残惜しそうなマッチョを画面外に押し出して、三沢はプリプリ怒って戻って来た。
「すみませんね…コロナの影響でボディビルの全国大会が中止になっちゃって…せっかく仕上げてきたのに披露する機会がないって落ち込んでたんですが」
まさかZOOM会議に割って入るほど欲してたとは…そう云って三沢は汗を拭った。
「いや、俺らは気にしていないが…おい」
28の瞳が一斉に強張った。
先程、三沢の父親が追い出された扉の奥に、マッチョのビキニが白い歯を剥いて微笑むのが、チラチラ垣間見えるのだ。
―――お袋さん、それはやめてやって下さい―――!!
[8]前話 [9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ