”正義を信じて、握り締めて”
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フェニックスは、その手に持った無数の黒い石を投げる。
「グールども!」
フェニックスの掛け声とともに、石は暗い光とともに無数の灰色のファントムとなった。
ゾンビのようにぎこちない動きを繰り返しながら、ファントムたちが迫る。
下級ファントム、グールたちの群れに、可奈美は焦ることなく背負ったギターケースより千鳥を取り出す。
振り下ろされた長槍を受け流し、続けてくるグールの槍を蹴り払う。そのまま接近したグールを横で切り払った。
続いて可奈美は、両足を立て直す。体に走らせた赤い光とともに、可奈美は叫ぶ。
「迅位斬!」
赤い光写シを纏い、可奈美は見る者を振り切る動きでグールたちへ斬り込む。体が粉々になったグールたちをしり目に、可奈美にフェニックスが襲い掛かってきた。
「ぐっ……」
フェニックスの剣を受け止める。その重さに、可奈美は気圧される。
「この前の奴だな? 今回は前のようにはいかねえぞ!」
そのままフェニックスは連続で可奈美に斬りかかる。一つ一つが人知を超えた威力のカタストロフは、可奈美を狙って振り落とされる。
「すごい力……! 前に戦った時よりも、強くなってる……!」
「オレは蘇るたびに強くなる。人間ごときが敵にしていいわけねえんだよ!」
大きく踏み込んだフェニックスの大剣が、可奈美の首を狙ってくる。受け止めた可奈美だが、その重さに腕が痺れる。
「でも、その太刀筋は読めてる!」
だが可奈美は体を捻り、フェニックスの体へ千鳥を薙ぐ。
痛みで怯んだフェニックスだが、それで後ずさりするわけがない。
「やるじゃねえか。……グールども!」
だが、フェニックスがそれで恐れるはずもない。フェニックスの号令とともに、新たに湧いて出たグールたちが襲い来る。
可奈美は名もなき戦闘員たちの動きを避けて観察し、時折反撃して切り伏せる。
フェニックスが鼻を鳴らしながら、それを眺めている。その時。
「ほう、中々面白そうなことをしているではないか」
その声の主は、上空からだった。
雪に混じり、他の白い物体が空から落ちてくる。
「何……あれ?」
見上げているのは可奈美だけではない。
響も友奈も、それぞれの手を止めて上空を見上げている。
それはグール、フェニックスといったファントムたちも同様だった。
「私も、仲間に混ぜてもらおうか」
地上に降り立ったのは、天使。そう表現する
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