”正義を信じて、握り締めて”
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レイは無傷とは言えない状態だった。青い体のあちらこちらは焼け焦げ、普通ならばもう戦いたくはない状態。だが、この宇宙人は全く退却の姿勢を見せない。
「いい記憶をもらったぜ」
「記憶?」
「狩りってのはな、相手を潰すことを最優先にするんだ。こんなふうにな!」
バングレイが右手を掲げる。すると、水色の光がそこより発せられ、バングレイの前に人の姿を形成していった。
それは。
「燕つばくろ……結芽ゆめちゃん……?」
「久しぶりだね……千鳥のおねーさん」
ピンクの、右側に一房まとめて、残りは下ろしたロングヘアー。自身に満ち溢れた笑み。御刀、にっかり青江を水平に倒して可奈美に向ける彼女は、可奈美も間違うはずもない。
見滝原に来る半年前、幾度も戦いを繰り広げ、決着も付けることさえもできないまま、病でその生涯を終えた燕つばくろ結芽ゆめその人だった。
「どうして……どうして結芽ちゃんが……?」
「俺の能力は、記憶の再現でな?」
バングレイが結芽の頭をポンポンと叩く。本物の彼女ならば不平を言いそうなところだが、この結芽は表情をピクリとも動かさない。
「こんな風に、お前がこれまで戦ってきた、もっとも強い強敵を生み出すことだってできる。言ったろ? 狩りには、どうやっていたぶるかを考えるのが大事だってなあ!?」
「……」
可奈美は歯を食いしばる。
だが、バングレイはそんな可奈美のことなど待ってはくれない。
「やれ!」
「遊んでくれるの? やったー!」
結芽はキヒッと笑みを浮かべ、可奈美へにっかり青江を振り抜く。千鳥との激突は、炎の広場に響いていく。
「退いて、結芽ちゃん! 今は、貴女と戦ってる場合じゃ……」
「本当にそう思ってる? 変なの! そんなに楽しそうな笑顔なのに?」
「!」
解れていた。
可奈美は顔を平静に戻し、後ろを向く。
グールとビービ兵、フェニックスとエンジェル。その戦いは、どんどん激化しており、建物や人々にも攻撃が及んでいく。
もう間に合わない。と、思った時。
『アドベント』
その音声が響いた。
雪の昼空を舞う、赤い無双龍。
ドラグレッダーが人々を守るように宙を泳ぐ。炎や光などの攻撃は、全てその龍の胴体が盾となり受け止めた。
「可奈美ちゃん!」
ドラグレッダーから飛び降りるのは、赤い騎士。真司が戦闘するための姿である龍騎だった。
「ごめん、店長から人混みで別れるのに手
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