”正義を信じて、握り締めて”
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ほかない。
純白の美しい翼を左右二枚ずつ生やし、体の各所に金色の装飾がついたそれは、見るだけで言葉を失う美しさがあった。
「だ、誰……?」
可奈美は首を傾げた。
すると、天使は答えた。
「この世界では、エンジェルの……否、その先は不要だな。そう、エンジェルと呼んでもらおう」
そのままの意味の言葉を名乗ったエンジェルは、近くにいたグールを、その手に持った剣で切り捨てた。
「てめえ、何しやがる!」
それを見て、フェニックスは激昂。エンジェルへカタストロフを振るった。
だが、エンジェルはその大剣をやすやすと受け止める。
「何、私の邪魔だったから斬っただけだ。貴様も、私の障害のようだな」
「てめえ!」
フェニックスは炎を纏いながら、エンジェルと斬り結ぶ。すると、フェニックスがまき散らす炎が、グールたちごと周囲に飛び火していく。
「いけない!」
この広場の外には、まだ人がいる。
可奈美たちは、それぞれ炎を切り、殴り消す。
「オレの邪魔をするってんなら、絶望してもらおうか!」
「絶望? そんなもので私の憎しみを越えられるとでも?」
エンジェルは吐き捨てる。そして、どこからか光る水晶___黄色に輝く宝珠オーブを取り出した。
「ランディックオーブ 天装」
オーブを胸のパーツ、その上部の入り口に装填する。すると、エンジェル周囲の大地が揺れ動く。やがて彼の目の前に塵芥より巨大な岩石が生成された。
岩石はそのまま、フェニックスへ直線に飛んでいく。
驚いたフェニックスは、岩石へ剣を振り下ろす。だが、岩石は炎を散らしながらフェニックスに命中する。
「ぐあっ!」
フェニックスは悲鳴とともに地面を転がった。
「な、なんなんだてめえは……!」
フェニックスはギロリとエンジェルを睨む。
だが、エンジェルは意に返すこともなく指を鳴らす。
「ビービ!」
すると、地面の底より、無数の黄緑色の兵士が現れた。
黄緑一色の体に、曲線的な短剣を持った兵士たちは、そのままグールたちと激突。互いに潰し合っていく。
だが、彼らが戦っているのは人気のない荒野ではない。街、広場。粗方避難したとはいえ、彼らが戦えば、それだけ被害が増えていく。
「だめ!」
取っ組み合いながら、近くでうずくまる親子に迫るグールとビービ兵。先回りして、二体同時に斬り裂くが、可奈美は二種類
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