六十七匹目
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
全ての甘未を作り終えた。
完成した甘未は埃が入らないよう障壁魔法を被せ温度操作魔法で温度を保つ。
これから僕は一度王城へ行きクーちゃんを迎えに行かなければならない。
なのでティアのスライムコアを数個アイテムボックスから取り出す。
「ティア。これから僕は城に行く。だからその間魔法の維持を頼む」
「かしこまりました」
「エリザはその旨をお母様に」
「お一人で大丈夫ですか? そろそろ西日がきつい時間です」
「問題ない。飛んでいく」
バーストにこの場を任せて厨房を後にする。
エプロンを脱ぎながら屋外へ出る。
「ジェネレートウィング」
魔法障壁を背中から展開し、飛行機の翼のように広げる。
さながら不可視のグライダーである。
グライダーとは違う点は左右の翼の間に筒状に展開した障壁だ。
「テイクオフ」
風魔法で筒の中に空気を取り込み圧縮開放と過熱膨張を用いて飛び上がる。
股間がヒュッとなる感覚と共に数十メートルの高さまで上昇した。
重心移動で体を前に倒し推力を後方へ。
王城めがけて一直線に進む。
多民族国家フライハイトの首都リベレーソとはいえ飛行可能な種族は限られる。
シャクティとそのお父さんであるファルコさんのような翼人、ホルルさんのハルピュイア、あとはサニャトリウムの常連である攻勢師団群第五師団空戦遊撃隊隊長とその副官達のドラゴニュート、確か色街のサキュバスも飛べたはず。
見渡せば数人は飛んでいるがそこまで空は混んでおらず直ぐに王城の城門前までたどり着けた。
スタッと降り立ち、守衛に声をかける。
「レオン」
「お、シラヌイ様じゃん。姫様のお迎え?」
「そんなところ。クーちゃんたちは?」
「参謀ともう一人のナイトはもう来てる。シラヌイ様が最後だな」
「だろうね」
「そんな恰好でいいのかよ? パーティー何だろ?」
「ああ、これ? さっきまでそのパーティーで出す甘未を作ってたのさ」
「へー。そりゃぁ他の料理が売れなくなるな」
「僕もそう思うよ。お母様もそれを思ってか例年通りの料理は半分以下だってさ」
レオンと別れて王城の中に入る。
登城した貴族や武官文官が忙しそうに行き来してたりサボってたりしている。
執政拠点としての城の姿だ。
僕が用があるのはさらに奥、王族のプライベートスペース。
いつものごとくクーちゃんからは私室まで迎えに来るよう命じられている。
向かった先のドアを叩くと中から入るように命じられる。
中に入るとドレスを纏ったクーちゃん達が居た。
「意外と早かったわねシラヌイ」
淡い褐色の肌を包む紅いアイラインドレス。
そ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ