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星河の覇皇
第七十七部第二章 第二次国境会戦その四十五

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「それでもです」
「それは最低限に抑える」
「あくまで、ですね」
「だからエウロパ戦役でもああされましたか」
「通常の産業には攻撃されませんでしたか」
 攻撃は軍事関係だけに留めていたのだ。
「それもまた国力であり」
「軍事力でありますが」
「戦争は軍人同士のものなので」
 八条の考えではだ。
「相手が国際法を守っているのなら」
「そうしてゲリラ戦術を採らないなら」
「それなら」
「我々もです」
 連合側もというのだ。
「別にと思いまして」
「それで、ですか」
「あの様にされていて」
「戦争も終えたのですね」
「最後まで一般市民や産業には攻撃しないまま」
「そうでした、確かに一般市民や通常産業を攻撃すれば」
 それを行えばというのだ。
「敵国の国力は落ちます」
「はい、戦略爆撃ですね」
 マクレーンはここで二十世紀にあったこの作戦を出した。
「それですね」
「敵国の工業地帯を空から爆撃する作戦ですね」
「はい、あれは時としてです」
「市街地も攻撃しましてな」
「千年以上のお話なので申し上げてもいいでしょうか」
「我が国にもですね」
「行っていますが」 
 マクレーンの国であるアメリカが八条の国の日本に対してだ。第二次世界大戦の時にあったことである。
「一般産業に市街地にと」
「行っていましたね」
「はい、相手国を弱めるにはです」
「通常の産業もですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「攻撃を行えばです」
「その分ですね」
「弱まります」
「そうすれば戦局も次第に有利になり」
「勝利に近付けますが」
「その通りですね」
「これは海の進軍でもです」
 マクレーンは今度は自国の内戦である南北戦争での作戦を出した。
「その国のあらゆる産業を破壊し尽くせば」
「その国はそれだけ弱まり」
「そうしてです」
「やはり勝利に近付きますね」
「徹底的に行えば」
 相手国の通常産業への攻撃もというのだ。
「大きいのは事実です」
「そうですね」
「敵国の全てを徹底的に攻撃する」
 劉も言ってきた、今は三人共アイスクリームの甘さ口の中に残ったそれを肴に赤ワインを飲み続けている。
「それは実際にです」
「非常に有効ですね」
「農業、鉱業、漁業にインフラにとです」
「その全てを破壊すると」
「その国は戦えなくなります」
 軍隊同士での戦闘以前にというのだ。
「エネルギーも弾薬も食料もなくなれば」
「そして人もいなくなれば」
 一般市民への攻撃の結果だ。
「そうなればです」
「それで、ですね」
「はい」
 まさにというのだ。
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