暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
あたしの図書館には、二度嵐が来る。
[6/6]
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
退屈そうな場所ね!」
「…。」
隣にいるのはマスターだろうか、
服の上からでも分かる程よい体付きで、筋肉の着いた健康的な肉体の女性。
そして隣にいるのは対照的に小さく、頭に角、そして腰には尻尾を生やしたピンクイロの髪をしたサーヴァント。
「あら、あなたがここの館長もとい、紫式部のマスターさん?」
「まぁそうですけど…ドアはもう少し丁寧に開けて貰えます?」
血の伯爵夫人、その幼き頃の姿。
エリザベート=バートリがそこにいた。
「で、何用で?」
「ふふ!アタシがこんな陰気臭いところに本を読みに来たと思ってる?」
「い、陰気臭い!?」
確かにこんな嵐のような女が大人しく本を読みに来るとは思えない。
にしても災難だ。こんな嵐のような女が続けて二度も来るのだから。
きっと今日は厄日なんだろう。
「葵様!どうされました!?」
と、騒ぎを聞き付け自室へ向かったはずの香子も思わず駆けつけてきた。
「へぇ、紫式部。派手なアタシとはまるで対極的な存在。それがアンタのサーヴァントね?」
「エリザベート様と…対極的…。」
まぁ対極的だろう。
性格もあるが何より身体もね。
「ではその、エリザベート様。今日は何用で?」
こんなふうにやって来て何も無いとは言わせない。
本を読みに来たわけではないとのことだし、香子がやや目線を低くしてエリザベートに尋ねると、彼女はふふふと笑い待ってましたと言わんばかりに叫ぶ。
「ええ!そう!アタシはアンタ達に勝負を挑みに来たの!」
「勝負…?」
どうしよう
いきなり勝負をふっかけられてしまった。
しかし勝負とはいえここでされてはたまったものではない。
それに香子はキャスターだ。あまり戦いには向かないサーヴァントだが…。
「身構えなくていいのよ。何もここでドンパチやろうって意味じゃない。アタシ達はもっとこう、平和的な勝負を挑みに来たんだから!」
「…?」
平和的な勝負?
と疑問が浮かんだがそれはすぐに晴れる。
エリザベートはアタシ達にビシィと指をさし、
「紫式部!そしてそのマスター源 葵!この図書館を賭けて!アタシ達とアイドル勝負なさい!!」
「…は?」
一瞬、耳を疑った。
だが耳がおかしくなったわけではない。ちゃんと聞こえた。
そうしてやってきた本日二度目の嵐は、とんでもない宣戦布告をあたし達に言ったのだった。
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ