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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
あたしの図書館には、二度嵐が来る。
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てくれた。
「私特注の御札!かっこいいでしょ!」
「かっこいいって…まぁ…。」
御札と入ったがよく見る長方形の紙などではなく、人型に象られた紙。
見方によっては鳥のようにも見えるそれは、中央に目玉が描かれた不思議な御札だった。
陰陽師、大雑把に言うならば悪魔祓いと同じようなもの。
最初はサーヴァントがおらずどうやってこんな子が己の身を守れるんだろうと疑問に思ったが、そういったものごあるのなら話は別だ。
「ねぇねぇ!何か本読んでいい?」
「うん。いいけど…。」
御札を見せびらかしたあと、彼女は本を読んでいいか尋ねる。
ここは図書館だしそういうところだ。余程の事せず静かにしていれば別に構わない。
彼女はあたしからの許可を得ると、スキップしながら本棚へと向かっていった。
「…。」
「不思議なお方…ですね。」
「うん。なんだろう…何か絡みづらい。」
歴史関係の本を手に取り、鼻歌交じりにページをめくる彼女を遠目に見て、あたしと香子は彼女について話し出す。
「第一怪しいよ。あんな子がこの世界を生きていけるなんて思えない。しかも1人だよ?」
「はい…確かにそこは香子も気になりました。ですが彼女は陰陽師と…。」
陰陽師だから、と言って生きられるか?
この世界に神秘と魔力が満ちた今、そういったオカルト的なものは力を持っている。
しかし彼女は隙が多い。あたしでも分かる。
筋肉のついてない細い手足、出るとこは出て引っ込んでるところは引っ込んでるいかにも男好みの襲われそうな身体。
もしや彼女が今こうして生きているのは陰陽術によるものではなく、ただ単に奇跡なのでは?と思う。
「ホントに…不思議な子だ…。」
「何が?」
「うわぁ!?」
そう呟くと、いつの間にか目の前には彼女が。
「何が不思議?何か変なことでもあったの?」
「い、いやいや!なんでもない!なんでもないから!!」
不思議そうにこちらを覗き込む森川 真誉。
あなたのこと話してましたというわけにもいかないので目をそらすと、あのボロボロの不気味な人形と目が合い、余計に気まずくなる。
「で、なんの用で?本を読んでるんじゃなかったの?」
「ううん。やっぱりうちで読もうって思って。ほら、ここ図書館でしょ?借りられる?」
確かにここは本の貸出はしている。
そうして彼女が差し出してきたのは一冊の本、
平安の時代にていたとされる伝説の陰陽師、安倍晴明に関することが描かれた本だった。
「へぇ…やっぱり陰陽師だから…参考に?」
「ううん。きらいだよ晴明なんて。」
…え?
「陰陽師と言えばみーんな晴明晴明晴明って、馬鹿の一つ覚えみたいに言うでしょ?」
「いやでも、安倍晴明なら知らない人はいないくら
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