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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
☆彼女からあたしは、何を貰った?
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テイマーの配信を止め、とりあえずは平和が戻った。
そしてやるべき事は終わったので全員は尾頭邸へと帰る。
「ただいまー!!お腹すいたぁ!」
「なんでちかそれはー!!!!???」
ご主人達のお帰りだ。
そう思いで迎えようと思った紅閻魔だが開いた扉からは血塗れの葵が笑顔でやってきた。
「い、一体なにがあったでち!?」
「土蜘蛛?とかいうのをたくさん殺した。」
「た、確かに、妖の臭いがすごいでち…。と、ともかくご飯よりお風呂でち!早くするでち!!」
血で汚れた葵の後ろに回り、背中を押して強引に風呂場へと連れていく紅閻魔。
「イリヤちゃんも一緒に入ろうよ。」
「私も?」
「そう。洗いっこしよ。」
少なくともイリヤだって返り血は浴びている。
手を繋ぎ、イリヤに案内されながら菫は風呂場へと向かっていった。
「まるで泥だらけで帰ってきた子供だな。」
「…。」
その様を見て尾頭はそう呟く。
「お帰りなさいませご主人。ご飯の用意はもう出来てまちゅが、どうするでち?」
「ああ、汗流したいからとりあえずあいつらが出てくるのを待ってから風呂に入る。」
「そうでちか。ところで…。」
紅閻魔が紫式部を見る。
聞きたいことがある、と言いたげな顔だった。
「"あれ"は、何でち?少なくともご主人が任務に出発する前まで葵さんはあのような人ではなかったでち。」
「俺も聞きたいと思ってた。あれは二重人格か?」
「そう…ですね。私も詳しくは知らないのですが…。」
少なくとも彼女は二重人格である。
1つの人体に、2つの魂が入っている。
葵自身は彼女のことを自分のエゴと欲望が集まってできていたものと言っていた。
「自分が生まれたのはごく最近。菫様はそう仰っていました。」
「最近?」
「はい。ただそれしか分からず…。」
「二重人格、ということはやはり心に問題を抱えているということでちね?」
「ええ、そうは言っていましたが…。」
彼女の欲望は、全て紫式部に打ち明けられ、そして受け止めた。
溜め込まれたものは全て吐き出されたはず。
なのに菫はまだここにいる。
「悩んでもしょうがねぇ。てめぇの問題はてめぇで解決するしかねぇんだからな。要はあいつ自身の問題だよ。」
「…。」
浴室からはキャッキャとはしゃぐ声が聞こえる。
きっとイリヤと遊んでいるのだろう。
「菫様…あなたは一体…。」
?
…。
ここは、どこだろう。
真っ暗で何も見えない。
ただ、くぐもったような声は聞こえる。
まるで扉の向こうからの話し声をきいているような、そんな聞こえ方。
手足は動く、だけど暗闇の世界は歩けど歩けどいきどまりにぶつかることもない。
手探りで辺りを探索し、未
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