第一章
[2]次話
一緒でないと駄目
テキサス州のある動物保護センターに茶色と白の雄のピットブルがいる、名前はメリツという。
その目率を見てシェルターのスタッフであるホセ=サンチアゴ面長で縮れた黒髪をレゲエの様にしている浅黒い肌と黒い目の一八〇を越えている背の彼は先輩にこう言った。
「メリツはいい子ですね」
「ああ、ピットブルは色々言われてるけれどな」
先輩もホセに応えて述べた。
「けれどな」
「メリツは違っていて」
「いい子だな」
「そうですね」
「やっぱり犬それぞれですね」
「これならいい飼い主さんにもな」
心ある人にもというのだ。
「引き取ってもらえるな」
「そうなりますね」
「絶対にな」
「そうですね、ただ」
ここでだ、ホセは。
メリツの傍にいる茶色のチワワを見て言った。
「いつもですね」
「タコと一緒だな」
「そうですね」
「犬の種類は違うけれどな」
それでもというのだ。
「仲がいいな」
「そうですよね」
「ああ、本当にな」
「タコもいい子ですが」
「いつも一緒でこれだけ仲がいいとな」
「別の飼い主にはですね」
「迎えてもらえないだろうな」
「じゃあ事情を話して」
「二匹一緒にな」
「貰ってもらいましょう」
こう話してシェルターの方でサイトや掲示板でも二匹一緒でと宣伝した、すると有り難いことに。
是非にという人が名乗り出て二匹は一緒に引き取られることになった、それでホセは新しい家に一緒に向かう二匹に笑顔で話した。
「これからも仲良くやっていけよ」
「ワン」
「キャン」
二匹はホセに嬉しそうに応えた、そしてだった。
二匹一緒に新しい家に入った、そのうえで仲良く暮らしているという話が届いた。ホセはこのことに心から喜んだが。
もう一組そうした話があった、それでホセは二匹の話を聞いて笑顔になった後で先輩にシェルターの犬達の面倒を見ながら話した。
「次はですね」
「あいつ等だな」
先輩も応えた。
「やっぱりな」
「そうですよね」
「そうなるな」
「ですよね」
今度は薄茶色のラブラドールと白い長い毛のチワワを見た。
「次は」
「ボニーとクライドだな」
「ええ、ただ」
「ただ?」
「この前新入りが言ってたんですが」
ホセは先輩に話した。
「どっちがボニーでどっちがクライドか」
「名前か」
「性別も」
「ちゃんと教えたろ」
「はい、どっちも雄で」
それでというのだ。
「ラブラドールがボニーで」
「チワワがクライドだってだな」
「教えておきました」
「ならいい、それでな」
「あの二匹もですね」
「ずっと一緒だからな」
「親友同士なので」
「だからな」
それでというのだ。
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