第二章
[8]前話
「鷲と鮫と豹の同じ点は何かな」
「鷲と鮫と豹?」
「この三つの生きもののね」
「そうだね」
そう聞いてです、トムは考えてからナトキンに答えました。
「どの生きものも肉食だね」
「そうだね」
「うん、鷲も鮫も豹もね」
「一つ正解だよ」
「これで一つだね」
「正解はあと二つだよ」
それだけあるというのです。
「この謎々にはね」
「後は怖いね」
トムは今度はこう答えました。
「どの生きものも」
「うん、僕達にとっては会ったら全力で逃げる位だね」
「そうだよね」
「そう、怖いよ」
ナトキンはその通りだと答えました。
「これで二つ目の正解だよ」
「じゃああと一つだね」
「最後の一つは何かな」
ナトキンはトムに尋ねました。
「それじゃあ」
「ううん、そういえば僕この三つの生きもの見たことないからね」
トムは右手の人差し指を自分の顎の先に充てて考えるお顔になって言いました。
「後はね、わからないよ」
「それで答えの半分だよ」
「半分答えてるんだ」
「そう、トムが見たことないということは」
「ああ、この辺りにはいないからだね」
トムも言われて気付きました。
「そうだね」
「そう、この森と近所にはいないよ」
ナトキンはまさにと返しました。
「どの生きものもね」
「鷲はこの辺りにはいないしね」
「鮫は海にいるね」
「豹はこの国自体にいないし」
「どの生きものも僕達は会わないよ」
「それが最後の答えだね」
「そうだよ、しかしこうした謎々も面白いね」
あらためてです、ナトキンはトムに言いました。
「これからも考えて出していきたいね」
「そうだね、答えは一つじゃない」
「謎々だけじゃなくて世の中もそうかも知れないしね」
こうしたお話をしながらでした、ナトキンとトムは謎々のお話をさらにしていきました、そうして二匹で楽しみました。
栗鼠のナトキンのお話U 完
2020・12・2
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