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人徳?いいえモフ徳です。
六十六匹目
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じ敷地内のずっと奥の方、魔導学院の近くには人がそこそこいる。

学院は科学世紀でいう所の大学や研究所に当たる。

どこの世界でも研究室に配属された学生に休暇は無いようだ。

学園の敷地内でも人が多くいる所はある。

今日の夜会の会場である式典場だ。

式典場の裏口へ向かうと警備員に一礼された。

裏口から入り、廊下を歩く。

エリザはさしてくれていた日傘を畳んでアイテムボックスに入れていた。

その所作ですら美しい。

さすがメイド長である。

調理場へ向かうとサニャトリウムのキッチンスタッフが詰めていた。

見慣れない顔が居るのは学園のコック達だろうか。

壁際で機嫌が悪そうなのはなんでだろうか。

考えるのは後にして入り口近くにいたバーストに話しかける。

「調子はどう? ちゃんとパーティーに間に合う?」

「問題ないわご主人様。ただ学園のコックが全く役に立たないのよ。それにろくな設備もないから今から遣いをサニャトリウムに向かわせようかって所よ」

「器具は持ち込みだろう?」

「あると思ってた器具が無いのよ、質も悪いし」

バーストはそう言うと僕ではなくお母様に話しかける。

「ねぇ、貴方タマモの娘でこの学園の責任者なのよね?」

「ええ、そうよ」

「この学園のコックの質悪いんじゃないの? 器具も調整効かないみたいだし」

「ん〜。そこは許してほしいわ。学園の調理場は質より量なのよ」

「なるほど…。それで軍人を使ってるのね」

「あら、わかるの?」

「ええ。侵攻部隊からの出向でしょ? 平時は暇で給料も安く済むからって手を抜きすぎじゃない?」

「今度の役員会議で言ってみるわ」

バーストとお母様の会話を面白くなさそうに聞いている軍人コックたちの事は今は考えないことにしよう。

考えるのも面倒だしそういうのは言い出しっぺのバーストがどうにかすべきである。

「バースト、足りない器具で魔法で代用できるものはある?」

「ええ、そうね。貴方がいれば早く終わると思うわ」

魔法を使えば氷菓やその他の甘未の粗熱を取る時間を短縮できる。

「ん。わかった。じゃぁちょっと着替えてくるよ」

僕が一度着替えようとキッチンを後にしようとするとお母様が手を方に置いた。

「シラヌイ」

「はい、何でしょうお母様」

「私は執務棟の部屋にいます。エリザを残しますから何かあれば遣いを寄こしてください」

「はいお母様」

キッチンの前で僕とお母様は分かれる。

この式典場には衣装室があり、そこは入り口から見てキッチンより奥にある。

エリザは僕の後ろをついてきている。

「シラヌイ様、着替えは持ってきているの
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