暁 〜小説投稿サイト〜
三匹一緒に新しい家庭へ
第二章

[8]前話
 是非にという人が出て来た、これには女性スタッフも心から喜んだ。
「よかったですね」
「全くです」
 若いスタッフも喜ぶことだった。
「三匹共という人が出てくれて」
「そうですね」
「条件が厳しかったので」
 一匹だけでなく三匹一緒しかも種族がそれぞれ違うというのにというのだ。
「来てくれましたから」
「それで、ですね」
「本当にです」
 実にというのだ。
「よかったです」
「では後は」
「新しい飼い主さんに面会してもらって」 
 そうして実際にどうか見て考えてもらってというのだ。
「そしてです」
「そのうえで、ですね」
「決めてもらいます」
「そうなりますね」
「では会ってもらいましょう」
 三匹にというのだ、こう話して実際にだった。
 新しい飼い主に名乗り出た家族は三匹と会った、すると三匹共気に入りそうして是非にと答えて三匹共だった。
 家族として迎えることになった、それでスタッフ達は三匹に笑顔で言った。
「よかったな、新しいお家が出来たぞ」
「これからも三匹仲良く暮らせるわよ」
「ワン」
「ニャア」
「チュウ」 
 三匹はそれぞれのなき声で応えた、そうしてだった。
 その家に入ってそのうえで幸せに暮らしだした、スタッフ達はその話を聞いて笑顔になった。そのうえで元の飼い主にその話をすると。
 元の飼い主は若いスタッフにこう言った。
「幸せになれてです」
「よかったですね」
「はい、私達に甲斐性がないばかりに」 
 それでとだ、一家の主である中年の男が項垂れて言った。
「サーシャにもジャックにもトゥイークスにも迷惑をかけて」
「それは仕方ないです、お家がそうなったからには」
 仕方ない理由で強制退去させられ新しい家が飼えないということはというのだ。
「ですが貴方の気持ちは神様に届いて」
「それで、ですね」
「三匹共また幸せに暮らせます」
「そうなったのですね」
「そして後はです」
「後は?」
「貴方もご家族もまたです」
 三匹と同じ様にとだ、若いスタッフは彼に話した。
「幸せになって下さい」
「私達もいいですか」
「心ある生きものは誰でも幸せになっていいです、ずっと彼等を気にかけておられますね」
「私も家族も」
「そうした方々はです」
 絶対にというのだ。
「そうなられるべきです」
「そうですか」
「はい、ですから」
「わかりました、では努力します」
「そうしていって下さい」
 幸せになる為にとだ、若いスタッフは元の飼い主にも言った。それから彼等も幸せになった。仕方のない理由で別れることになった三匹と共に。


三匹一緒に新しい家庭へ   完


                   2021・3・24
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ