第二章
[8]前話
「ですが」
「それでもですね」
「こうしたことをするとは」
とてもというのだ。
「私も思いませんでした」
「そうでしたか」
「はい、ですが」
「それでもですね」
「ノキシトゥがまだ授乳出来ても」
それでもとだ、ウィルソンは話した。
「それは短いと思われます」
「だからですね」
「あの豹の子供はまだ赤子で」
「授乳期間までは」
「成長しきれないでしょう」
乳離れするまではというのだ。
「ですから」
「このままでは危ないですね」
「今はこの公園、保護区は豹が非常に少なく」
「絶滅寸前ですね」
「今のうちに保護しましょう」
こう言ってそうしてだった。
ウィルソンは一緒にいるオリバーと二人でジープを運転してノキシトゥのところに行った、そうしてだった。
彼女にだ、二人でジープに乗ったまま声をかけた。
「その子供は私が育てていいかな、君の心は受け取った」
「ガウ」
ノキシトゥは頷く様に鳴いて応えた、そしてだった。
その場を去った、後には豹の赤子が残ったがノキシトゥは去る時にウィルソン達を振り返った。その時の顔は自分が助けた命を宜しくと言っている様だった。
豹の赤子はすぐに二人に保護された、そのうえで。
公園のある保護区で非常に数が少ないことから豹の赤子を保護してそ成長するまで育てることにした、調べると豹は雄であり健康状態も問題なかった。ウィルソンはその豹の面倒を見ながらオリバーに言った。
「この子はな」
「はい、ノキシトゥが助けたのは」
「無意識でもこの生態系をな」
「守る為だったんでしょうか」
「豹も必要だ」
生態系の中にというのだ。
「だからな」
「そうしたんですか」
「そうかも知れない、それじゃあ私達は」
「はい、ノキシトゥの想いを受け取って」
「そのうえでな」
「この子を育てていきますね」
「そうしよう、ラックもそれでいいな」
「ガウ」
ラックと名付けられた豹はウィルソンに鳴いて応えた、そしてだった。
彼は二人に育てられ無事に育ち自然に戻った、豹の数は無事に戻り生態系も守られた。二人はこの保護区のそれを守った雌ライオンに心から感謝した。タンザニアにある心温まる話である。
母ライオンの子供は豹 完
2021・3・24
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