第九話 決意を述べてその五
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それでだ。にこりと笑ってだった。千春にこうも言った。
「じゃあまだ時間が少しあるから」
「少しだから?」
「ちょっと。何処かに行く?」
「何処かって?」
「この前みたいにアイス食べる?」
これが希望の提案だった。
「アイスね。そうする?」
「アイスクリーム?」
「うん。このビルの二階がカラオケボックスで三階と四階が飲む場所で地下一階がね」
「地下もあったの」
「そこは喫茶店でね。僕もまだお小遣いがあるし」
今度は彼が出すというのだ。金はだ。
「だから喫茶店行こう。それでそこでね」
「アイス食べるのね」
「そうしよう」
「アイスもいいけれど」
しかしだとだ。千春はこう返してきた。
「前にも食べたから」
「それもそうだね」
「だから他のにしない?今は」
「そうだね。じゃあ」
少し考えてからだ。希望はこのスイーツの名前を出したのだった。
「ケーキにしようか」
「それにするのね」
「アイスは食べたし」
まずはこれを消した。そして次に消すものは。
「クレープもいいけれど」
「それも前に食べたからね」
「あれ美味しかったよね」
「とてもね。けれど前に食べたから」
それでだというのだ。
「クレープも今はね」
「止めてそれでケーキなのね」
「千春ちゃんケーキ好きだよね」
「大好きだよ」
ケーキもだとだ。千春はここでもにこりと笑って答えてきた。
「甘いものは何でも大好きだよ」
「そう。じゃあね」
「ケーキにするのね」
「うん。それもね」
ケーキといっても色々だ。ここで希望が選ぶケーキは。
「この喫茶店ってホットケーキが美味しいんだ」
「えっ、ホットケーキ!?」
「うん、それが美味しいんだ」
その喫茶店はホットケーキが絶品だとだ。希望は千春に話したのである。彼はこのことを話しながら千春の顔を見た。そのうえで彼女の反応を待ったのだ。その反応はというと。
すぐにだった。こう答えてきたのである。
「じゃあそれでお願いね」
「千春ちゃんホットケーキも好きなんだね」
「だから。甘いものは何でも大好きだよ」
この言葉がだ。ホットケーキにも当てはまるというのだ。
「だからね。一緒に食べよう」
「うん。それじゃあね」
「希望。千春に御馳走してくれるんだ」
「僕だってたまにはね」
いつもはお金を豊富に、それこそどれだけ持っているかわからない千春に頼っている。しかし今は彼はだ。あるからあえて彼が出すというのである。
「そうさせてよ」
「わかったよ。じゃあね」
「うん。じゃあ」
「希望の気持ち受け取るね」
お金ではなかった。千春が言うの
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