チノへのプレゼント
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っけ?」
「ふふふ、お姉ちゃんに任せなさい!」
響の疑問には、チノの自称姉が答えた。
「チノちゃんはね、お姉ちゃんが大好きなんだよ!」
「あれ? 私、真面目に聞いているんだけど……」
ジト目でココアを見つめる響に、可奈美はぼそりと「響ちゃん自身をプレゼントすればいいと思うよ」と呟いた。
可奈美はココアに代わって響の疑問に応えた。
「そういえばチノちゃん、結構パズルとか好きだよね」
「パズル?」
「うん。ほら、この前ココアちゃんが勝手にチノちゃんのパズルを完成させて怒らせちゃったことがあるって」
「言わないで!」
「パズルか……」
響は巾着を開けた。
「うん、パズルくらいなら、まだ何とかいけるかも。ちょっと探してくるね!」
パズルに決めたようだった。
響は早足で、別の屋台へ向かう。どうやら玩具屋も出ていたらしく、瞬く間にウサギのパズルを持ってきた。
「買ってきた! あと、リボンも付けてもらった!」
「おお! 早かったね! でも、響ちゃんはよかったのに」
「いやいや。この前倒れた時にお世話になっちゃったから、これくらいのお礼はさせてよ」
響は笑顔で応じた。可奈美は心の中で感謝しながら、再び歩く。
「あとチノちゃんが喜びそうなもの……何だろうね?」
「うう……友奈ちゃんと響ちゃんが、どんどんチノちゃんの好きなものを埋めていくよ……」
「まあまあ。あ」
可奈美はふと、近くの屋台に目を止めた。
「ねえ、そういえばチノちゃんって、ボトルシップも好きだよね」
「そうだね」
「休みの日にココアちゃんの誘いを断るくらいに」
「それは言わないで!」
可奈美は、手元にあるボトルシップの作成キットの箱を手に取った。
「結構値が張るんだね。でも、こういうのいいんじゃない?」
「う〜ん……でも、可愛い妹のためだよ! これください!」
思ったより高価だったので、可奈美とココアで半分ずつ負担することになった。
「うう……お姉ちゃんの威厳も半分になっちゃったよ……」
「そんなことないから。元気だして。ね?」
ココアを慰めながら、可奈美たちはクリスマスマーケットを散策していた。
すでに財布の中は寒い風が吹いており、今は眺めてウインドウショッピングするほかない。
その時。
「なるほどな。これがお前の希望か」
そんな男性の声が聞こえてきた。
それが赤の他人の声だったら、可奈美も気にすることはなかっただろう。
だが、どこかで聞いた覚えのある声だったから、可奈美は足を止めた。
「可奈美ちゃん?」
友奈が振り返る。
だが、可奈美は動かなかった。
クリスマスマーケットの一角。バザーで、婦人が売ってい
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