第二章
[8]前話
尻尾を振った、そして二匹でお互いに遊びはじめた、夫婦は二匹を暫く遊ばせた。そして狼が別れるとだった。
散歩を再開した、この時からだった。
狼は一家が散歩に出ると毎日彼等の前に決まった場所に出てだった。
そうのうえでホワイトと遊んだ、このことを夫婦は周りに話したがそれでこの狼は忽ち話題となり。
ロメオと名付けられ街でも人気者になった、ニックも彼の写真をよく撮ったが。
その狼の写真を見てだった、妻は夫に言った。
「恰好いいわね、しかも人を襲わないから」
「余計にいいね」
「ええ、狼はそうした生きものなのね」
「狼王ロボも人は襲っていないよ」
夫は妻にこのことを指摘して話した。
「そうだね」
「そういえば」
妻も言われてはっとなった。
「そうね」
「そうだよね」
「だから狼は犬にもなったのね」
「ロボはあまりにも誇り高かったから飼えないだろうけれど」
それでもというのだ。
「狼はね」
「人は襲わないのね」
「家畜は襲うけれど自分が食べる為で国によっては畑を荒らす獣を食べてくれるから」
「有り難い存在なのね」
「そうだよ、悪い存在でもなければ」
それどころかというのだ。
「怖い存在でもね」
「ないのね」
「そうだよ、安心してね」
「だから街の人達も今は」
「ロメオを好きなんだよ」
「誰も襲わないから」
「それでだよ」
妻に笑顔で話した、そしてこの日の日課の散歩でもだった。
夫婦でホワイトと遊ぶロメオを見た、そして。
ロメオのいい姿をすかさず写真に収めた、だがロメオはそんな彼にも怒らず。
「ワンワン」
「撮っていいんだね」
「ワンッ」
尻尾を振って応えた、夫婦なそんな彼を見て自然と笑顔になった。そのうえでこの日も彼とは別れたが。
「また明日な」
「明日会いましょう」
「ワン」
「ワンワンッ」
ロメオは一家を尻尾を振って見送った、そこには恐ろしいものは何もなかった。恰好いいが優しい姿があった。
狼は誰も襲わない 完
2021・3・24
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